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ライフ岩崎社長新春インタビュー、今期はあの業態が首都圏に!?

第6次中期経営計画(中計:2018年度~21年度)で「ライフらしさ宣言」を掲げるライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)は、会社のポジショニングを明確化しながら、商品政策、出店戦略、働き方改革など多方面で大規模な投資を行っている。岩崎社長は19年を「『ライフらしさ』を表現するため、行動に出た1年だった」と振り返る。東京オリンピック・パラリンピック、キャッシュレス還元終了と、19年に引き続きイベントが目白押しの20年をライフはどう戦っていくのか。毎年恒例の年末記者会見での岩崎社長の発言を抄録する。

2019年は新業態「ミニエル」を出店、「プライム・ナウ」もスタート

 2019年の一番のトピックスは、やはり消費増税だろう。これに伴い、軽減税率が適用され、小売業各社は対応に追われた。また、キャッシュレス決済を対象とするポイント還元も始まった。この「キャッシュレス還元」によって、公平・公正であるべき競争環境は歪められ、当社としても少なからず影響を受けた。ただ、昨年末に予想したとおり、消費増税自体の影響はそれほど大きくなかったと考えている。

 当社にとっての19年は、中計の2年目となる1年だった。各従業員の「ライフらしさ」への理解が1年目でだいぶ深まったので、2年目は行動に移していった。

 具体的には、①各店に権限を持たせた店舗運営の推進、②総菜やプライベートブランド商品など独自性のある商品づくり、③働き方改革、と大きく3つの施策に取り組んだ。また、都心型小型店の新業態である「Miniel(ミニエル)」を大阪市内に出店したほか、首都圏ではアマゾンジャパン(東京都/ジャスパー・チャン社長)さんの「Prime Now(プライム・ナウ)」に参加するなど新たなチャレンジもした。

 こうした取り組みもあって、足元の数字は前期実績をクリアしている。既存店売上高を見ると、第1四半期が対前年同期比0.9%増、第2四半期が同1.2%減で上期累計では前年同期実績を下回ったものの、第3四半期は同0.7%増。自然災害などもあったが、第1~3四半期累計では0.1%増と、なんとか「水面に顔を上げる」ところまでは来ている。

「ビオラル」の展開にアクセル

 2020年も引き続き出店していく。来期(21年2月期)の出店は、2~3年前から仕込んでいるものなので、これまでと比べるとペースは落ちるかもしれない。だが、首都圏でも近畿圏でも、出店の手は緩めない方針だ。

 チャレンジという観点では、「オーガニック」「ローカル」をキーワードとしたフォーマットである「BIO-RAL(ビオラル)」の2号店を首都圏に出店する。大阪府に出店したビオラル1号店は、オープンから4年目を迎えた。収支的にはまだ赤字だが、売上高は伸びている。生鮮食品が厳しいといった課題も見えてきており、品揃えの見直しを進めているところだ。コアなファンがいるので、ここは強化していきたい。

 新店ではないが、「ビオラルコーナー」というかたちで、首都圏でもすでにビオラル商品を販売している。19年2月に新規出店した「桜新町店」(東京都世田谷区)のほか、「渋谷東店」(東京都渋谷区)など直近の首都圏における改装店でも導入した。首都圏に2号店を出すことで、ビオラルの展開を加速させていきたい。

ネットスーパーは「密度」を重視!

 ネットスーパーにも、引き続き取り組んでいく。19年は拡大ではなく、“密度”を濃くすることに力を入れた。当社では現在、約60店舗でネットスーパーを展開しているが、黒字店舗は徐々に増えており、現在20店舗近くが黒字化している。20年も、新店でのネットスーパー開始はあるものの、ネットスーパー未導入店への拡大というよりは、既存サービスを充実させたいと考えている。

 同時にアマゾンさんとの取り組みも進めていく。19年9月にスタートしたプライム・ナウは非常に好調で、最初の1カ月で半年後くらいを想定していた件数のオーダーを受けた。品揃えで課題などはあるものの、デリバリー含めオペレーションは順調だ。現在は東京都練馬区の1店舗のみで実施しているが、20年のできるだけ早い段階で、東京都23区、そして大阪府でも展開していけるように、アマゾンさんと話し合いを進めている。

 20年は年度末で中計の折返しを迎え、後半の2年が始まる。前半の2年では、かつてないスピードで色々なことを変化させ、壊し、つくり直してきた。そうした結果、幹部の意識がだいぶ変わってきたと手応えを感じている、具体的なことはまだ公表できないが、来年の計画も早い段階で決めることができた。

 20年はライフにとって“勝負の年”になる。そのための準備もできてきた。20年はいっそうの「ライフらしさ」を全社員一丸となって伝えていきたい。(談・文責 編集部)