U.S.M.H24年上期決算、カスミが大幅減益の背景で脱・チラシの販促戦略への移行を断行

2023/11/07 05:59
松岡 瑛理
Pocket

「Scan&Go」を皮切りに
店舗DXを推進

来年以降、小売流通業界への影響が懸念されているのが、「物流の2024年問題」だ。
24年4月1日以降、配送ドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限される。労働時間が短くなることで、社会全体で配送現場の人手が不足する可能性が懸念されている。

藤田社長は物流の2024年問題について、「24年になってからではなく、前もって物流を効率化するための取り組みを進めていきたい。すでに取引先業者との間では、契約変更などについて議論を重ねている」とした。
店舗への配送便の数を適正化する、毎日納品するべき商品を減らすなど、具体的な方策は複数想定しており、「荷主と取引先業者と協同しながら効率化を考えている」と述べた。

カスミのポイントプログラム「Scan&Go」を皮切りとして、同社では今後はマックスバリュ関東、マルエツも含め店舗DX化に向けたさまざまな取り組みを各社で推進し、収益性の改善、顧客との接点拡大を図っていく構えだ。お客への認知が浸透した際に、同社の収益性にいかなる変化をもたらすか、注目したい。

1 2 3
© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態