「落とし物」返還率が3倍に!気鋭ベンチャー開発の意外なソリューションと狙う巨大市場とは
落とし物を一元管理する「プラットフォーム」構想
今後、各鉄道会社や商業施設などに順次導入が見込まれるfind。その先に和田氏たちが描いているのが「企業や業態の枠を超えて落としものを一元管理するプラットフォーム」の構想だ。
特に首都圏の鉄道ではJRや各私鉄が相互乗り入れしており、鉄道会社にとっては「他のJRや私鉄関連の落とし物の問い合わせも頻繁にかかってくる」(和田氏)状態だという。落とし主にとっても、一度忘れ物をしてしまうとしらみつぶしに複数の鉄道会社を当たらなければならないのは面倒だ。
そこで、鉄道会社や商業施設を横断して落とし物情報を集約したプラットフォームが構築できれば、落とし主にとっても窓口が一元化され、コールセンターの生産性もさらに改善が期待できる。
このプラットフォームが実現すれば、最終的に各鉄道会社や商業施設は、落とし物の管理自体をfindに一括してアウトソーシングすることができるだろう。「さらに大幅なコスト削減につながるので、鉄道会社からもそこに期待を寄せていただいている」(和田氏)。
また、鉄道会社で保管された落とし物は、2週間後に近くの警察署に届けられることから、その警察との連携もプラットフォーム構築のカギとなるだろう。