どこまで成長する? 好調・アダストリアの今後を占うキーワードは「共創」と「ライフスタイル」
成長著しいエコノミー市場にも参入
――2023年3月には、グローバルワークの新しいベーシックライン「グローバルワーク・スマイルシード」を立ち上げ、エコノミー市場に参入しました。
木村 「グローバルワーク・スマイルシード」はこの7月にも2店舗をオープンし、現在5店舗と一気に出店態勢をとっています。売上も、対予算比で約110%増と、好調に推移しています。
――エコノミー市場に対しては、将来的に大きな柱となるブランドを確立していくねらいがあるのでしょうか。
木村 考え方はもっとシンプルで、市場が目の前にあって、私たちがやっていないのであれば、そこにはチャンスがある、ということです。あれだけいろんなブランドがあって、そこに手をつけてないのはもったいないなと。とはいえまだ実験段階なので、状況を見ながら、タイミングが来たら一気に出店攻勢をかけていきたいと考えています。
――中国発のECアパレル「シーイン(Shein)」をはじめ、低価格アパレルメーカーが勢いを増しています。この動きはどうみていますか。
木村 私たちも実際に商品も買ってみて、中国での物づくりの仕方などを勉強していますが、正直まだ見えていないところがあります。もう少し様子を見て対応していきたいですね。
――最後に、将来的にアダストリアをどう成長させていきますか。
木村 福田は、何より「人」を大切にするオーナーです。社員一人ひとりをどう成長させて、その家族をどう幸せにするかを真剣に考え、社員の前で語ってきました。その姿を私も傍でずっと見てきましたので、その姿勢は継承していきたいと思っています。
もう一つ、当社は中期経営計画で「アパレルカンパニーからグッドコミュニティ共創カンパニーへ。」と掲げています。これからは自社だけが儲かるような時代ではなくなり、志をともにするパートナーと利益をシェアする時代に転換するとみています。先ほど言った「ドットエスティ」のオープン化戦略も、イズミ(広島県)と業務提携して始めた新ブランドもその考えのもと進めているものです。
いろんな企業とパートナーシップを組みながら、ともに成長できるようなコミュニティを築いていく。それが、経営者としていちばん幸せな経営のあり方ですね。