どこまで成長する? 好調・アダストリアの今後を占うキーワードは「共創」と「ライフスタイル」

2023/09/11 05:55
聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:堀尾大悟
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成長著しいエコノミー市場にも参入

グローバルワーク・スマイルシード店舗
グローバルワーク・スマイルシード店舗

――20233月には、グローバルワークの新しいベーシックライン「グローバルワーク・スマイルシード」を立ち上げ、エコノミー市場に参入しました。

木村 「グローバルワーク・スマイルシード」はこの7月にも2店舗をオープンし、現在5店舗と一気に出店態勢をとっています。売上も、対予算比で約110%増と、好調に推移しています。

――エコノミー市場に対しては、将来的に大きな柱となるブランドを確立していくねらいがあるのでしょうか。

木村 考え方はもっとシンプルで、市場が目の前にあって、私たちがやっていないのであれば、そこにはチャンスがある、ということです。あれだけいろんなブランドがあって、そこに手をつけてないのはもったいないなと。とはいえまだ実験段階なので、状況を見ながら、タイミングが来たら一気に出店攻勢をかけていきたいと考えています。

――中国発のECアパレル「シーイン(Shein)」をはじめ、低価格アパレルメーカーが勢いを増しています。この動きはどうみていますか。

木村 私たちも実際に商品も買ってみて、中国での物づくりの仕方などを勉強していますが、正直まだ見えていないところがあります。もう少し様子を見て対応していきたいですね。

――最後に、将来的にアダストリアをどう成長させていきますか。

木村 福田は、何より「人」を大切にするオーナーです。社員一人ひとりをどう成長させて、その家族をどう幸せにするかを真剣に考え、社員の前で語ってきました。その姿を私も傍でずっと見てきましたので、その姿勢は継承していきたいと思っています。

もう一つ、当社は中期経営計画で「アパレルカンパニーからグッドコミュニティ共創カンパニーへ。」と掲げています。これからは自社だけが儲かるような時代ではなくなり、志をともにするパートナーと利益をシェアする時代に転換するとみています。先ほど言った「ドットエスティ」のオープン化戦略も、イズミ(広島県)と業務提携して始めた新ブランドもその考えのもと進めているものです。

アダストリア社長
木村治社長

いろんな企業とパートナーシップを組みながら、ともに成長できるようなコミュニティを築いていく。それが、経営者としていちばん幸せな経営のあり方ですね。

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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