レンタル低調でもなぜ強い? ゲオホールディングスの決算を分析!
セカンドストリート1000店舗体制へ
ゲオは2024年3月期の業績予想において、売上高が対前期比6.0 %増の4000憶円 をめざす。循環型消費の定着浸透と生活防衛意識の高まりを受け、リユースビジネスはますますの伸長が期待できる。そうした中、同社が成長の起爆剤と位置づけるのが出店戦略だ。成長事業のセカンドストリートは2024年3月末までに国内860店舗、中期的に1000店舗体制をめざすとしている。
収益面では店舗業務プロセスの標準化や簡素化、店舗要員配置の工数コントロール、在庫状況へのフレキシブル対応を通じて販管費抑制を図る。営業利益は、同22.4%増の130憶円を見込む
今のところ、安定的な成長が期待できそうなリユース商材だが、脅威となりそうなのがCtoC(消費者間取引)のフリマ市場だ。「ヤフオク」をはじめとするオークションサイトは、コレクター向けや趣味性の高いものが中心で、リサイクルショップとECとは住み分けができていた。
様相が大きく変わったのが、「メルカリ」をはじめとしたフリマアプリが存在感を見せるようになってからだ。フリマ市場が拡大していくにつれ、リサイクルショップの仕入環境が悪化することが懸念される。フリマの登場で、今までは地元のリサイクルショップを選ばざるを得なかった地方のユーザーは、確実に選択肢が増えた。地域密着型ショップはどこの地方でも仕入れが厳しくなり、中には廃業するところも現れている。
ユーザーは「ネットで便利だから」という理由だけでフリマを利用しているわけではない。無視できないのが、ユーザーがリアル店舗に長年抱いてきた「不信感」、つまり買取の不透明性だ。実際に、「リサイクルショップで買取拒否だったアイテムがフリマアプリで高く売れた」といった話を耳にしたことのある人も多いだろう。
今のところ、リユース市場のパイ自体が大きくなっているため、リアルとネットとの軋轢はそれほど見られていない。リアル店舗でリユース事業を展開する事業者は今のうちに「リアルならでは」の魅力をみがき、存在感を確立したいところだ。ゲオの場合も、「スマホ」「アパレル」という専門性に加え、リアル店舗ならではの利便性や楽しさ、知名度や企業規模からくる信頼性をいっそう高められるかに注目だ。