めざすはニトリ SPA+分社化でイオンの住関連事業、復活なるか?
イオン(千葉県/岡田元也社長)グループが手掛けるSPA(製造小売)型の住関連事業「ホームコーディ」。2019年8月現在、総合スーパー(GMS)やモール内に35店舗展開し、累計1万8000SKUのPB(プライベートブランド)商品を開発してきた。ホームコーディは秋冬向けに、デザインと機能性を重視した約500アイテムの新商品を投入する。
PB比率は50%
家電がとくに好調
ホームコーディはもともと1985年に販売し始めたジャスコの住関連品のPBの名称だった。2017年にイオングループのGMS改革の一環で、SPA型の住関連事業として再スタート。現在は売場の屋号と商品のブランド名として使われており、2020年夏までに商販一体型の専門会社としてイオンリテール(千葉県/井手武美社長)から分社化する計画だ。
売場としては、17年3月に「三宮オーパ2」(兵庫県神戸市)に1号店を出店して以来、GMS店舗内を中心に35店舗出店している(19年8月現在)。
商品は、「ホームコーディ」売場以外にも、イオングループのGMSの食品売場や、ホームセンター企業のサンデー(青森県/川村暢朗社長)のホームファッション売場で展開している。これまで累計1万8000SKUの商品を開発。「住まいと暮らしをトータルでサポートする」事業として、ホームファッションと、テーブル家電、リフォームの3つのカテゴリーをカバーする。PBの売上高構成比は約50%で、三宮オーパ2など店舗によっては70%を超えているという。
「商品開発のコンセプトはデザイン、価格、機能性の3つを重視している」とイオンリテール執行役員ホームコーディ事業部長の久永晋也氏は説明する。デザインはシンプルさを追求。ホームファッションだけでなく、テーブル家電、リフォームも含め、トータルで同じテーストのものが揃えられるようにしている。価格は、ハンガーや電池などふだん使いの商品で安さを訴求。「冷感敷パッド」など、高機能商品の開発にも力を入れている。
ホームコーディ事業は「全体的に好調だが、とくに伸びているカテゴリーはテーブル家電」であると久永氏は言う。これまで電子レンジやオーブン、電気ケトルなど小型商材を中心に品揃えしてきた。
2020年2月には新商品として「温度調節機能付き電気ケトル」を発売する。この商品の特徴は、60℃~100℃まで1℃単位で調節することができることだ。これにより、赤ちゃん用ミルクやコーヒーといった用途別に温度設定することが可能となる。
機能性を重視した
寝具と鍋
ほかにも、秋冬には約500アイテムの新商品を投入する。テーマは「暖かい冬でも寒い冬でもホームコーディにおまかせ」。
寝具では「3層ボリューム掛ふとん」を8月に発売した。中綿を3層にした「エアポケット構造」によって、従来品の約1.6倍のボリュームを実現し、保温性を追求。暖かさを変えられるよう布団カバーの種類も豊富に揃えた。
キッチン用品では「無水調理ができる鋳物鍋」を新発売。密封性を高め、食材の水分を逃さないようにすることで、無水調理ができるようにした。