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最大6%の値引き+ポイント!ローソンが明かした増税&ポイント還元の対応策!

ローソン(東京都/竹増貞信社長)は821日、「2019年 ローソン秋冬商品セミナー」にて、10月からの消費増税に伴う店舗での対応策について発表した。レシートと商品のプライスカード(値札)の表記方法を変更するほか、増税と同時に導入されるキャッシュレス決済に対する2%のポイント還元策については、会計時にポイント分を即時充当する。さらに、自社ブランドのクレジットカードのポイント付与率を高めるなど、キャッシュレス比率向上のための取り組みも明らかにした。

レシート、値札には「軽」の文字を記載

変更後のレシート記載例

 まず、レシートの表示に関しては、国税庁が定義した「区分記載請求書等保存方式」に従って、軽減税率の対象商品を明示するために本体価格の右側に「軽」の文字を記載する。また、合計金額の内訳として、消費税率が10%の商品と8%の商品のそれぞれの合計金額を分けて明記する。

変更後のプライスカード

 プライスカードについては、現在本体価格と税込価格の2種類を併記しており、増税後もこの記載方法を踏襲する。変更点としては、軽減税率の対象商品にはレシートと同じく「軽」の文字を記載し、標準税率の商品には黒い四角のマーク(■)を挿入する。

 また、ローソンは消費増税に向けたレジのシステム改修についても発表した。10月からは、店内のイートインを利用する場合は軽減税率の対象商品でも税率は10%となる。ローソンでは、軽減税率の対象商品について、8%と10%の切り替えボタンを新たに追加し、お客の申し出に応じて単品ごとに税率を変更できるようにする。

 今後の店舗での準備としては、9月上旬に消費税変更、キャッシュレス・消費者還元事業などについてまとめたマニュアルを各店舗に送付する予定だ。値札の変更については、921日に新税率のプライスカードを各店舗へ納品し、930日に一斉に切り替え作業を行う。イートイン利用の確認については、店内に掲示物を貼ることによってお客に告知し、従業員からイートインでの飲食有無は確認しない方針だ。

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2%分の実質値引きの影響は?

大手CVSは会計時に2%分のポイントを即時充当

 ローソンを含む大手コンビニエンスストア(CVS)各社は先日、消費増税に合わせて開始されるキャッシュレス決済のポイント還元について、会計時に即時にポイントを付与することで2%分の実質的な値引きを行う考えを明らかにしている。

 ポイント還元については、クレジットカードや電子マネーなどを提供するキャッシュレス決済手段発行会社が、利用者に対して後日ポイントを還元するのが原則だ。しかし、経済産業省が発表している「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)の概要」によると、会計時の即時ポイント付与については例外的な方法の「①店頭での購買時に、即時利用可能なポイント・クーポン等を発行し、購買金額に当該ポイント等相当額を充当する方法」に該当し、認められている。

 ローソンは、この2%のポイント還元分についてもレシートに記載する方針だ。お客がキャッシュレス決済を利用した場合は、キャッシュレス還元対象の金額と還元額が明記され、お客は値引き後の金額を支払うことになる。

 消費者にとっては、後からポイントが付与されるよりもその場で値引きされたほうが“お得感”があるため、CVS各社の対応は集客効果がありそうだ。しかし、これまでは例外的だった上記のポイント還元方法を大手CVS各社が導入したことによって、スーパーマーケットやドラッグストアなどほかの小売業や、キャッシュレス決済手段発行会社も同様の手段をとる可能性がある。実際、CVS各社のこの対応を受け、JCBなどの大手クレジットカード会社も請求段階で還元額を差し引く実質上の値引きを行うことを発表した。消費者にとっては企業や店舗、使用決済手段によって還元方法が異なることになるため、大きな混乱が生じるだろう。そのため、各企業はこれまで以上にお客に明確でわかりやすい告知を行うことが求められそうだ。

自社ブランドのクレジットカードでさらに4%のポイントを付与

 今回の会見では、キャッシュレス促進の施策としてローソン独自の取り組みも発表した。ローソン銀行(東京都/山下雅史社長)が20191月から発行を開始したクレジットカード「ローソンPontaプラス」でのポイント付与率を高める。従来、ローソン店舗での利用では100円(税抜)につき2ポイント付与されていたが、10月の増税後は4ポイントに増やし、2%分のポイント還元と合わせて合計6%を還元する。

 ローソンはこうした取り組みを通じてキャッシュレス化の推進を強化し、数年のうちにキャッシュレス比率を現在の20%から政府が目標としている40%にまで高める考えだ。