プーマの「プロスニーカー」 一般価格の3倍でもプロの職人が「安い」と感じるワケとは?
スポーティーモデルとカジュアルモデル両方が揃うのがプーマの強み
一般的なプロスニーカーと比べて高価格でも、スポーツブランドのおしゃれで疲れにくいタイプを選ぶ消費者は確実に増えている。これまでプロスニーカーの売場には、アシックス、ミズノ、プーマなどのブランドが並んでいたが、最近では、新たにニューバランスやコンバースも日本の安全靴市場に参入。消費者にとっては選択肢が増えている。
一方、競合ブランドが増えていることについて、藤田氏は「『プーマセーフティ』は独自の路線を追求しているので、競合ブランドとは認識していない」と話す。
その理由は、他ブランドはあくまでもスポーティーなモデルが中心であるところ、「プーマセーフティ」はスポーティーモデルとカジュアルモデルの両方が揃っているからだ。さらに、1年に2回のペースで新しいカラーを投入するなど、ファッション性の高いプーマらしくファッションとしての楽しみ方も提供している。
全国の代理店経由で現場からの声を拾い、「こんなカラーがほしい」「こんな機能がほしい」という要望は常に商品の企画に活かしているが、「プーマセーフティのスポーティー、カジュアルの両モデルに、ユーザーの声をいかに反映していくかは永遠の課題」(藤田氏)
よりスポーツライクでおしゃれな作業用品をもとめる消費者のニーズを受け、作業服メーカーもアウトドアライク、スポーツライクな作業服の展開を始めるなど、プロスニーカーに限らず作業用製品全体が変化しつつある。
プーマセーフティブランドとしては2024年に、より着脱が楽に行える、プーマのディスクモデル(靴ひもを使用せず、足の甲部分に取り付けられた円形のパーツを回して靴をフィットさせるプーマ独自のディスクシステムを搭載したモデル)を採用したプロスニーカーが投入される予定だ。それに先立ち、2023年初夏に作業用手袋の販売をスタートすることが決まっている。
「今後は、プーマブランドをトータルにコーディネートしていただけるような新しいラインも登場する予定なので期待して欲しい」と藤田常務は意気込む。
安全性だけでなく、ファッションとしてもこだわりたいという消費者のニーズを受け、これまでの常識を覆すような進化はますます加速しそうだ。