グループとしてのシナジーをより発揮=西友兼ウォルマートジャパンHD CEO 野田 亨

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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──商品原価も相当程度下がっているのですか?

野田 相当と言えるレベルかどうかはわかりませんが、これから実現できるように、進めていきます。サプライヤーさんも売上を伸ばすことをめざされていますから、そういう企業としっかりパートナーシップを組んで情報を共有しながら取り組んでいきたいです。その段階で商品原価が下がっていくということもあろうかと思いますし、また期待もしています。

 とくに日本のサプライヤーさんとの取り組みを強化していきたいです。たとえばネスレさんと取り組んで、プライベートブランド(PB)の水(500mlペットボトル)を店頭で48円で販売しているのですが、似たような商品が日本のサプライヤーさんの場合は100円を超える売価になってしまうのです。日本のサプライヤーさんとはそういった取り組みが、まだ実現できていないということですから、何か課題があるのだと思っています。水は重いですから、太平洋を渡って調達してくるコストはそれなりにかかります。日本国内でもっと合理化できれば、場合によってはこのPBを下回る価格でよい品質の水を提供できるのではと期待しています。

 このように、お客さまに最高の価値を提供するために、世界中のよい商品を低コストで持ってくるということと平行して日本のサプライヤーさんと日本で取り組んでいくことで、商品原価を下げていく努力をしていきたいです。

 当然のことながら、サプライヤーの方々に、交渉の過程で圧力をかけながら原価を下げるということは長続きしません。あくまでもサプライヤーさんとはWIN-WINの関係で、お互い得るものがあって初めて長期的な安定した価値提供をお客さまにできるわけですから、そのように取り組んでいます。

──ネスレさんやP&Gさんなどのグローバルメーカーとは戦略的に取り組めているということですが、日本企業との取り組みで成功事例はすでにありますか?

野田 ええ。ジョイント・ビジネス・プラン(JBP)というプランで、約30社といろいろな取り組みを行っています。その中からさらに密接な取り組みができる企業が出てくるのではないかと期待しています。

既存店売上高対前期比0.3%増「まだまだ満足していない」

──さて、09年度はGMS(総合スーパー)各社が苦戦する中で、西友さんは既存店売上高対前期比0.3%増となりました。この業績をどのように評価していますか?

野田 当初の私どもの期待と比べ、はるかに及びませんでしたので、まだまだ満足していません。品切れもあったと思いますし、競合と比べて十分な価格差があったとは言えない商品もありました。まだまだ至らない点は多々ありますので、今、一つひとつ改善しているところです。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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