セブン&アイ、イオン1Q決算分析、両社の命運を分けたのは……

棚橋 慶次
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両社の決算から見えるものとは

 両社の決算を見比べると、セブン&アイの好決算ぶりが際立つ。海外シフトを加速させるという経営判断が奏功した結果だ。

 セブン&アイは現在、ソフトバンクグループの米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループとの間で、そごう・西武(東京都/林拓二社長)の事業譲渡の交渉が進めていると複数のメディアで報じられている。これが実現すれば海外への傾斜はさらに加速するのは必至だ。

 一方でイオンは、中期経営計画で「さらなるアジアシフトの加速」を掲げてはいるものの、あくまで軸足を置くのは国内事業だ。イオンの強みは、GMS、食品スーパー、ドラッグストア、ショッピングモールといった具合に多様な業態をもち、それぞれが国内トップ、あるいは上位シェアを確保している点だ。

 GMSではイオンリテールを筆頭に、マックスバリュ西日本と経営統合を果たしたフジ・リテイリング(愛媛県/山口普社長)も傘下に擁し、食品スーパーではユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長)を筆頭に、「マックスバリュ」のエリアカンパニーを抱え、グループとしてのシェアは圧倒的1位を誇る。

 ドラッグストアでも、ウエルシアホールディングスとツルハホールディングス(北海道/鶴羽順社長)のグループ2社でトップシェアを競り合っており、両社合計のシェアは1割強におよぶ。イオンモールも、競合が簡単にまねできないフォーマットとして、とくに地方都市では全体的な存在感を誇る。

 もちろん、GMS事業の収益性改善、ECへの対応などイオンが多くの課題を抱えるのも事実だ。セブン&アイの躍進で「国内小売最大手」から「国内小売シェアトップ」となったイオンは巻き返しを図ることができるか。

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