セブン&アイ、イオン1Q決算分析、両社の命運を分けたのは……
GMS事業が黒字化!イオンの1Q
ここからは、イオンが公表した2023年2月期第1四半期連結決算を見てこいこう。営業収益が対前年同期比2.3%の2兆2032億円、営業利益が同12.0%増の438億円、当期純利益が同287.3%増の193億円の増収増益を果たしている。
営業収益の4割近くを占めるGMS(総合スーパー)事業がようやく復調の兆しを見せ、ギリギリではあるものの黒字を確保。GMSの中核企業であるイオンリテール(千葉県/井手武美社長)は14年2月期以来の1Q黒字化となった。
イオンモール(千葉県/岩村康次社長)中核とするディベロッパー事業も回復基調にあり、ウエルシアホールディングス(東京都/松本忠久社長)を筆頭とするヘルス&ウエルネス事業も増収を果たした。
一方で、連結売上高全体に占める海外事業の構成比は、営業収益・営業利益とも1ケタ台だ。イオングループは中国やベトナムで事業を展開しているものの、国内事業が占める割合が圧倒的に大きい。
同時に発表した2023年2月期の通期業績予想は、営業収益が対前年度+3.2%の9兆円(「収益認識に関する会計基準」の適用のため前期比較はなし、同基準適用前の実質的な営業収益は同5.6%増の9兆2000億円)、営業利益が同20.5%増の2100億円(ただし、レンジ予想の最小値)、当期純利益が同284.3%の250億円(同)を見込む。