強い逆風下、中期経営計画の総仕上げに向かう上新電機の打ち手

棚橋 慶次
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中堅以下のプレーヤーはどう生き残る?

 家電需要は、当面6兆円前後で推移すると見込まれている。中長期的には人口および世帯数の縮小に伴い減少トレンドが懸念される一方で、生活家電の高付加価値化や一定の買い替えにした下支えされ、一定の底堅さが期待できる。

 一方の競合環境は、ここ数年ずっと続いてきた大手量販店同士の熾烈な戦いも沈静化に向かいつつある。価格競争に関しても、政府通達(2015年3月)の流通ガイドライン改正に伴い、メーカーの流通業者に対する一定の関与(小売価格の流通調査・流通業者の選別・販売エリアや価格の制限)が可能になったこともあり、一時よりはひどくなくなった。

 業界再編と寡占化が進んだことでプレーヤーが減り、業界下位の上新電機にとってもビジネスを続けやすい環境が整ってきた。全体的に新規出店が減ってきたのも有利に働く。

 とはいえ、体力面で劣る中堅プレーヤーに気を抜く余裕はない。まずエリア面では、もともと強い関西エリアを中心に店舗展開していくことになるだろう。フォーマットに関しても、一棟型ではなく、モールなどのテナントに入った方が集客面で負担が少ない。

 早くから手掛けてきたECも、引き続いて注力していくことが望まれる。打ち手さえ間違えなければ、家電量販店の競争を勝ち残ることは十分に可能であるはずだ。

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