平和堂最新決算、ネットスーパーに小型店開発… 積極投資の内訳
既存店改装や
ITシステムに積極投資
22年2月期の設備投資は93億円で、前期比で約30億円減少した。これは新規出店数の差(前期4店、当期1店)によるもので、「既存店改装や、ITへの投資は増えている」(平松社長)という。
ではどのような投資を行ったのか。既存店改装では、平和堂は14年より食品売場の改装を推進。21年以降は、“第2ステップ”として、衣料品や住居関連品、テナント・コミュニティゾーンといったショッピングセンター(SC)全体の付加価値を高める改装に移行している。
たとえば22年2月期は「アル・プラザ鶴見」(岐阜県大垣市)では衣料品や住居関連品売場を活性化したほか、「アル・プラザ武生」(福井県越前市)では、健康測定コーナーを併設した多目的スペース地域サロン「おとなRe」を設置した。
IT関連投資については、日配品のAI需要予測発注システムを全店に導入。これによりAI活用により「発注業務時間90%削減」を目標に進めてきた取り組みは、約80%の削減にまで達成なっているという。また、22年2月から、独自のスマホ決済アプリ「HOPウォレット」をスタートさせている。
ネットスーパーを
第4四半期に開業へ
2023年2月期の設備投資は前期よりも100億円以上多い、204億円を計画する。内訳は、店舗改装が50億円、システム投資が46億円、その他が53億円。その他は、23年5月に稼働予定の新デリカセンターへの先行投資分である。新デリカセンターの建設費用は合計で約85億円を計画している。
改装投資については食品売場だけでなく、全館をリフレッシュさせる改装に。衣・食・住全館改装を4店、食品大改装を5店、食品小改装を5店、衣・住・改装を5店で行う考えだ。
システム投資は、AI需要予測発注システムの活用を生鮮部門にも拡大させるほか、独自の電子マネー「HOPマネー」の機能拡充、セミセルフレジの導入などを計画する。さらに第4四半期にはネットスーパーをスタートさせる予定だ。
今期の新規出店は1店で、すでに22年3月に「ビバホーム一宮店」(愛知県一宮市)を開業している