第45回 ECは本来SCが手がけるべきだった理由とSCの将来とは

西山 貴仁 (株式会社SC&パートナーズ代表取締役)
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前回、ショッピングセンター(SC)運営におけるDXは緒に就いたばかりで、部分的なデジタル化をもってDXと表現しているに過ぎない状態にいると解説した。その一方、SCのDXは実は進んでいる。今回は、SCをDX化した時どのような姿になるのかを解説していく。

SC運営のデジタル化

 デジタル化は、第1段階のデジタイゼーション(Digitization)、第2段階のデジタライゼーション(Digitalization)、そして第3段階のデジタル・トランスフォーメーション(DX: Digital Transformation)と進むことを前回解説した。現在のSC運営におけるデジタル化は、クレジットカード認証がインプリンターからCATに換わったことに始まり、最近では売上日報のデジタル化、ポスターボードのデジタルサイネージ化、アプリによる販促、テナントからの諸届けのオンライン化など進んではいるが、これらは部分的な改善であってデジタイゼーションの域を出ていない。

 では、この「域」を出るためにはどうすれば良いのか。それはただ一つ、業務の流れ(ワークフロー)や業務の内容の変革しかない。しかし、SCの現場では未だ多くの現金を扱い、釣り銭両替機や入金機を設置し、現金輸送や人的作業に依存した売上日計表のチェックなど日々ルーティンをこなしている。営業サイドでも店舗巡回、テナントコミュニケーション、接客ロープレ、販促などアナログな業務が占める。アナログな業務が悪いわけでは無いが、効率化を考えれば①業務のデジタル化か、②デジタル化出来ない業務はそのものをやめるか、この2つしかないが、コロナ禍という外圧はこの選択を迫ることになろう。

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記事執筆者

西山 貴仁 / 株式会社SC&パートナーズ 代表取締役

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。201511月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒

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