キーワードは“背徳感” ベーカリー部門でもヒットの予感「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」

2022/02/11 05:57
    「Food Clip」編集部
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     健康志向が高まる一方で、食べる時に思わず“背徳感”を感じてしまうようなハイカロリーな食が人気を集めている。

     なかでも注目は、韓国から人気に火がついた「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」だ。ルーサーバーガーは、バンズにドーナツを使用したアメリカ生まれのハンバーガー。マヌルパンはガーリックバターを染み込ませたパンに、砂糖やはちみつで甘みを加えたクリームチーズを挟んだ進化系ガーリックパンのことだ。人気の背景を探る。

    ルーサーバーガー
    ルーサーバーガー

    意外な組み合わせが「映える」
    ルーサーバーガー

     ルーサーバーガーの名前は、バンズにドーナツを使用していることから「ドーナツバーガー」とも呼ばれているが、その名はR&B歌手であるルーサー・ヴァンドロスに由来する。

     1979年におこなわれたライブのケータリングで、ハンバーガーのバンズが切れてしまい、ルーサー・ヴァンドロスが朝食の残りのドーナツを代用したことから誕生した。シュガーレイズドのドーナツの甘さと、パティの肉汁やソースがマッチし、甘じょっぱくクセになる味わいが特徴で、意外な組み合わせとインパクトのある見た目から広まった。

     そして近年のアメリカでは、ドーナツとフライドチキン専門店「アストロ ドーナッツ&フライドチキン(Astro Doughnuts & Fried Chicken)」の看板メニュー「フライドチキンサンドイッチ」が人気となった。ドーナツにサクサクのフライドチキンをはさんでいる点が話題を集めた。

     その人気が韓国にも派生。2020年に韓国KFCが「ダンキンドーナツ」とコラボし、ドーナツにフライドチキンをはさんだ「ドーナツバーガー」を発売した。多くのインフルエンサーが取り上げたことからSNSで話題となり、日本でも注目度がアップしている。

     ルーサーバーガーが備えるトレンドの要素は、「映え」と「背徳感」だ。ドーナツ×ハンバーガーのインパクトが「映える」ため、SNSで注目を集める。

     また健康志向が高まる一方で、「悪魔的」「カロリー度外視」などのキャッチフレーズが付くハイカロリー料理もトレンド傾向にある。こうした要素がルーサーバーガーの人気を後押ししているようだ。

    2food
    プラントベースドフード(植物由来原料)を使ったメニューを提供する専門店「2foods」では、健康志向に配慮したルーサーバーガーを販売する

     トレンドをいち早くキャッチして、日本でもルーサーバーガーが食べられる店が少しずつ増えている。たとえば、食のセレクトショップ「DEAN & DELUCA」では、ココナッツをまとった焼きドーナツにケイジャンチキンなどをサンドしたドーナツサンドを、プラントベースドフード(植物由来原料)を使ったメニューを提供する専門店「2foods」では、植物性原料のみを使用した「ソイチキンタツタドーナツサンド」を販売。各社趣向を凝らした商品を開発している。

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