1年で売上3.5倍!イオンリテールのOMO型レンタルアパレル「ルルティ」が急拡大している理由
「『レンタル ドレス』や『レイクタウン ドレス』といった検索キーワードから、多くのお客様が来店されている。店舗流入のうち、スマホからの検索が約7割を占める」(入領氏)
支払い方法においても、クレジットカードの所持率が低いZ、ミレニアル世代に対して「後払いサービス」を導入した。冠婚葬祭用のドレスやスーツは値が張り、手に届かない。だけど、レンタルなら買うことができる――。「普段着ることできない洋服を着て、いつもと違う自分を楽しむ」というルルティのブランドメッセージが顧客ニーズとぴったりはまったのだ。
Z世代、ミレニアル世代は「モノを持ちたくない?」
2018年のサービス開始から約4年。Z、ミレニアル世代を相手にビジネスをしてきた結果、この世代特有の顧客インサイトを肌で感じるようになった。
「彼らから『モノを持ちたくない』、という意思を強く感じる。例えば、リクルートスーツのサブスクリプションサービスでは、1か月間借りたお客様の、2~3カ月目の継続率は約80%と非常に高い。3か月目以降も利用した場合は最初から商品を購入したほうがトータルの金額は安くなるにもかかわらず、継続するのは『所有すること』を懸念している証左だろう」(小林)
また、ドレスからスーツ、キッズ用洋服とラインナップを広げることで、ミレニアル世代の家族の姿もよく見かけるようになった。それほどまでに、「洋服を借りる」という概念は、若い世代に浸透しているのだ。
リピーター率は20%と、一部の層にとっては生活習慣の一つになりつつあるルルティ。小林氏は、新店舗出店も考えていると言い、「シェア洋服」ビジネスの躍進に自信を見せる。
ミニマリストという単語が流行するなど、財布の紐が固く、必要最小限のモノで暮らしたい人が多い、Z、ミレニアル世代の若者たち。そんな彼らの「ちょっと背伸びがしたい」というニーズにうまく応えたのがルルティなのだ。