1年で売上3.5倍!イオンリテールのOMO型レンタルアパレル「ルルティ」が急拡大している理由
「内製化」でコストカット
もう一つ、フォーマルな洋服のレンタルサービスを始めるにあたって、不可欠な要素があった。それは、商品の発送作業、ドレスやスーツ専門のクリーニング業者との連携などを管理する「バックオフィス業務」を「内製化」したことだ(配送業務は外部委託)。
同様のサービスを展開するEC事業者は、バックオフィス業務を外注しており、そのぶんコストが嵩む。対するルルティは内製化に成功。EC事業者にはできない、元々リアル店舗で長年ビジネスをしてきたイオンリテールが培ってきた在庫管理の技術などを活かした。結果、顧客一人あたりの損益分岐点が他社より圧倒的に低くなった。
店舗を駅直結で休日の商圏人口が多いレイクタウンkazeに選んだのも、クリーニング業者や、物流網との関係性を考慮してのことだ。
「バックオフィス業務を内製化したことによるコストメリットは絶大で、3年周期のアパレル業界において、ルルティでも50%の商品を入れ替えられるほどの原資があった。通常の物販のように、レンタル事業は『売って終わり』の商売ではない。4年間、継続的にキャッシュフローを増やしながら事業を運営できたのは、約5000点ある商品の一つ一つを管理できるバックオフィスの体制があったからだ」(小林氏)
店舗への流入の7割が「スマホ検索」から
フロントエンドでも、デジタルとリアルを融合させたタッチポイントを多数つくるOMO(Online Merges With Offline:オンラインとオフラインの融合)を志向した。ターゲット層が10~30代だということもあり、スマホ検索を含めたデジタルからの店舗流入はこの事業に不可欠だと考えていた。
ルルティで、主にWEBマーケティングを担当する入領氏は言う。