ウォルマート マム
セグメンテーションは、ターゲティングやポジショニングと同じように、マーケティングの基本の1つであるが、選挙の票田にもセグメンテーションがある。
かつて米国には、「サッカー・マム(Soccer mom)」という括りがあった。子供にサッカーを習わせる教育熱心な母親層を指す。
双日総合研究所副所長の吉崎達彦さんによれば、「(サッカー・マムは)2008年の大統領選挙ではオバマの支持に回り、彼の勝利に一役を買った」という。
今年の米国中間選挙で注目されたのは「ウォルマート・マム(Walmart mom)」と言われる層である。ご存知世界最大の小売業ウォルマートで月に1度以上買い物をし、1セントでも節約しようとする子供ある女性のことである。
政治的な見解については、述べる立場にないけれども、1企業の利用者が大きな票田として分類されている事実に驚かされる。
日本では、しまむら(埼玉県/野中正人社長)の「しまラー」をはじめ、「ムジラー」(無印良品)、「ニトラー」(ニトリ)など流通業の熱狂的ファンに付けられた愛称はあるが、票田とは直結していないような気がする。
ただ、「ある企業のファン」を《新しい市場》とみなしてみれば、商売的には何か面白い仕掛けが出来るかもしれない。
『チェーンストアエイジ』誌2014年11月15日号
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