「健康な食事」をめぐる弁当総菜開発合戦スタート

2014/10/07 00:00
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厚生労働省の「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」は、10月6日、「健康な食事」の食事パターンに関する報告書を公開した。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000059925.html

 これによると、「健康な食事」は、①精製度の低い米や麦などの穀類を利用した【主食】、②魚介類、肉類、卵類、大豆、大豆製品を主材料とした【主菜】、③緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜(いも類、きのこ類、海藻類も含む)を使用した【副菜】から構成される。

 

 主食は、300キロカロリー未満。玄米や押し麦のような精製度の低い穀類を2割程度含み、炭水化物は40~70g。主菜に含まれるタンパク質は10~17gで250キロカロリー未満。副菜の野菜は100~200gで150キロカロリー未満としている。主食、主菜、副菜を組み合わせた1食のエネルギー量は650キロカロリー未満とし、食塩含有量は3g未満としている。

 

 「健康な食事」は、上記3つの組み合わせに加えて、1日の食事中に牛乳・乳製品、果物を摂取するとしている。

 なお、菓子・嗜好飲料(アルコールを含む)については、基準は設けず、食事全体の中での量的バランスを考え、「楽しく適度に」摂取するものと位置づけた。

 

 これら炭水化物、タンパク質、脂質、カリウムなどの摂取基準を満たした食品スーパーやコンビニエンスストアなどの弁当や総菜は「健康な食事」と認証し、厚生労働省が選定したマーク(主食=黄色、主菜=赤色、副菜=緑色)をつけることができる。

 

 「健康な食事」の認証は、弁当1食単位のみならず、1単品ごとでも可能だ。

 たとえば、おにぎりやサンドイッチなら主食を表す黄色部分のみ、鳥の唐揚げや豚肉の生姜焼きなら主菜の赤色部分だけ色をつけたマークを表示する。消費者が3色を組み合わせることで「健康な食事」を取ることができる。

 

 マークの貼付には審査はなく、事業者は2015年4月から基準を満たしている商品にマークをつけることができる。仮に基準を満たしていても、1食分になっていないものは対象にならないので要注意だ。

 

 留意事項は以下のとおり――。

 

・事業者は、マークの適切な普及のために、主食、主菜、副菜を組み合わせて食べることなど、マークの意味することについて、消費者に適切に情報提供できる体制を確保すること

 

・事業者は、マークとともに、おいしさや楽しみを付与するために工夫している旬の食材や地域産物の利用などの情報について積極的に提供すること

 

・事業者は、マークの表示に際して、おいしさや楽しみのために工夫した食材の特徴があれば、あわせて分かりやすく表示すること

 

・事業者は、基準に合致したレシピの作成など、「健康な食事」に関する企画や運用にあたって、管理栄養士などの関与により、適切に実施できる体制を確保すること

 

・国は、マークの普及状況をモニタリングする観点から、事業者のマークの使用状況について、国に報告する仕組みを構築すること

 

 本日から、多くの流通業者が「健康な食事」の弁当や総菜をめぐって商品開発に取り組むに違いない。

 

 ※出張のため、明日あさってとBLOGをお休みいたします。次回の更新は10月10日(金)になります。よろしくお願いいたします。
 

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