大差をつけない限り
コンビニエンスストアの競争が日増しに激しくなっている。それもそのはずで、大手企業を中心に出店ラッシュが続いているからだ。
2013年度にセブン‐イレブン・ジャパン(東京都/井阪隆一社長)は1579店舗を出店。ローソン(東京都/玉塚元一社長)は735店舗、ファミリーマート(東京都/中山勇社長)は1284店舗を出店。3社は、2014年度もこのペースを維持すると発表している。
日本フランチャイズチェーン協会(東京都/山本善政会長)によれば、2013年12月末のコンビニエンスストアの店舗数は、4万9323店舗。対前年度比では実に5.2%に当たる2418店舗が増えていることになる。
かねてより、コンビニエンスストアが成立するのは2400人に1店舗、つまり日本の市場では5万店舗が上限と言われてきたので、弱肉強食による店舗淘汰の局面に入ったという見方もできなくはない。
これに加えて、都心部では、イオン(千葉県/岡田元也社長)グループの「まいばすけっと」に代表される都市型小型スーパーが続々と出店しており、コンビニエンスストアも同業態、異業態との競合をこれまで以上に強いられている。
「従来の半径500mから、同200m圏内へと商圏の狭域化が進んでいる」と競争の激化ぶりを説明するのは、ある中堅コンビニエンスストア企業の幹部だ。
もちろん、商圏の狭域化という事態を受けて、コンビニエンスストアの商品政策は従来とは大きく変わってきている。
最近のキーワードは、「時短」「小容量」「保存」「生鮮」「健康」「(プチ)贅沢」といったところ。多くの企業が、こうした新しい需要をめがけて、新しい商品を発売する。
ただ、そこから出てきた商品を比較してみると、1~2社の商品を除けば、“2番煎じ”も少なくなく、大差があるようには見受けられない。
小売業は他律的なものなので、同質化は必然と言えなくはない。
だが、自社の価値観や常識を否定し、自社の独自性をしっかり追求し、大差をつけない限り、何をやっても結局は1~2社を独走させてしまうことになる。
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