”白鷺城”の城下町で食べられる地元グルメ「姫路おでん」を知っているか?
兵庫県姫路市にやってきた。県下では神戸市に次いで人口が多く、歴史的な見どころも豊富な魅力ある土地柄だ。今回はJR姫路駅を起点に、自転車で各地を気ままに巡った後、地元の名物料理を味わうという話である。同じ関西でも、京都や大阪とは一味違う個性がある街の雰囲気を感じてほしい。

城下町の風情が残る「野里地区」
兵庫県の南西部に位置する、いわゆる播磨地域の中心地が姫路市だ。人口は約50万人と、県下では神戸市に次ぐ規模を誇る大きな都市である。播磨地域の食べ物で個人的に好きなのは、実に600年以上の歴史があると言われるそうめんだ。とりわけ全国的にも有名な「揖保乃糸」の大ファンで、夏になると昼食はかなりの確率で食している。
それはともかく、今回は時間が取れたので姫路をじっくり観光してやろうと考えた。選択した移動手段は、小回りが利く自転車である。駅近くでレンタルし、姫路駅をスタート地点として活動を開始した。
まずめざすのは、世界文化遺産に登録されている市のシンボル、姫路城。駅からは北へ伸びる大手前通りの突き当たりに見えており、迷うことはない。道中、あちこち観察しながらの移動は実に楽しい。道沿いに鯱(しゃち)の瓦を模したモニュメントが飾られるなど、街を挙げての演出に気持ちが高揚した。そして走ること7〜8分で姫路城に到着。あっという間だった。

ここ姫路市でもやはり訪日外国人観光客が目立つ。皆、スマホ片手にスナップしながら歩いており、楽しそうである。私は自転車を降り、手で押しながら堀に掛かる桜門橋を渡った。

さらに大手門をくぐり、広場として整備されている三の丸広場越しに姫路城を見上げた。快晴の日で「壮観」とはまさにこのことだと感じながら、その勇姿をしばらく眺めていた。

姫路城の威容に満足した私が次に向かったのは「野里」という地区だ。姫路駅の観光案内所で、古い街並みが残るエリアがあると知り、興味が湧いたのだった。もらった冊子によれば、江戸時代の城下町だった頃の風情を今に残しているらしい。
少し迷いはしたものの、20分ほどで到着。野里街道という道沿いに、古い町家が立ち並ぶ様子はなかなか風情がある。私が住む京都とは、一味違う街の個性を味わった。

時計を見ると、昼時をとうに過ぎていた。動き回ったため、お腹が減っている。実は、もう食べるものは決めてある。想像しただけでたまらなくなり、私は店がある姫路駅へ向かうため、必死にペダルを踏み込んだ。






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