”白鷺城”の城下町で食べられる地元グルメ「姫路おでん」を知っているか?

2025/09/02 05:00
森本 守人 (サテライトスコープ代表)

兵庫県姫路市にやってきた。県下では神戸市に次いで人口が多く、歴史的な見どころも豊富な魅力ある土地柄だ。今回はJR姫路駅を起点に、自転車で各地を気ままに巡った後、地元の名物料理を味わうという話である。同じ関西でも、京都や大阪とは一味違う個性がある街の雰囲気を感じてほしい。

姫路おでん

城下町の風情が残る「野里地区」

 兵庫県の南西部に位置する、いわゆる播磨地域の中心地が姫路市だ。人口は約50万人と、県下では神戸市に次ぐ規模を誇る大きな都市である。播磨地域の食べ物で個人的に好きなのは、実に600年以上の歴史があると言われるそうめんだ。とりわけ全国的にも有名な「揖保乃糸」の大ファンで、夏になると昼食はかなりの確率で食している。

 それはともかく、今回は時間が取れたので姫路をじっくり観光してやろうと考えた。選択した移動手段は、小回りが利く自転車である。駅近くでレンタルし、姫路駅をスタート地点として活動を開始した。

 まずめざすのは、世界文化遺産に登録されている市のシンボル、姫路城。駅からは北へ伸びる大手前通りの突き当たりに見えており、迷うことはない。道中、あちこち観察しながらの移動は実に楽しい。道沿いに鯱(しゃち)の瓦を模したモニュメントが飾られるなど、街を挙げての演出に気持ちが高揚した。そして走ること78分で姫路城に到着。あっという間だった。

大手前通りに置かれている鯱(しゃち)の瓦

 ここ姫路市でもやはり訪日外国人観光客が目立つ。皆、スマホ片手にスナップしながら歩いており、楽しそうである。私は自転車を降り、手で押しながら堀に掛かる桜門橋を渡った。

他の観光地同様に、姫路市でも訪日外国人観光客が目立った

 さらに大手門をくぐり、広場として整備されている三の丸広場越しに姫路城を見上げた。快晴の日で「壮観」とはまさにこのことだと感じながら、その勇姿をしばらく眺めていた。

三の丸広場越しに見上げた姫路城

  姫路城の威容に満足した私が次に向かったのは「野里」という地区だ。姫路駅の観光案内所で、古い街並みが残るエリアがあると知り、興味が湧いたのだった。もらった冊子によれば、江戸時代の城下町だった頃の風情を今に残しているらしい。

  少し迷いはしたものの、20分ほどで到着。野里街道という道沿いに、古い町家が立ち並ぶ様子はなかなか風情がある。私が住む京都とは、一味違う街の個性を味わった。

城下町の風情を今に残す「野里」地区

  時計を見ると、昼時をとうに過ぎていた。動き回ったため、お腹が減っている。実は、もう食べるものは決めてある。想像しただけでたまらなくなり、私は店がある姫路駅へ向かうため、必死にペダルを踏み込んだ。

 

1 2

記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態