イズミヤのDNA

2014/02/04 08:00
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「愛はいつまでも絶えることがない。しかし預言はすたれ、異言はやみ、知識はすたれるであろう」(コリント前書13章8)。この世の中には、変わらないものはない。だから自分も変わっていく必要がある――。

 イズミヤ(大阪府/坂田俊博社長)は、そのキリスト教的な風土のもとで進取の経営にあたってきた。呉服屋時代には服地を扱い、セルフサービスを導入し、日本初のショッピングセンターを開設、2眼レフ体制・関東のドミナント構築、ネットスーパーやスーパーセンター、都市型小型店の開発…枚挙には暇がない。

 

「真面目」「紳士的」「義理堅い」「争わない」「害がない」…。イズミヤの世間評はすこぶるよく、同業者とも友好関係を築いてきた。

 このDNAこそが同社の特徴であり、財産と言っていい。

 近年、インディペンデントを維持してきた同社は、しかし2009年にユニー(愛知県/佐古則男社長)とフジ(愛媛県/尾崎英雄社長)と業務提携。2010年には伊藤忠商事(東京都/岡藤正広社長)と業務資本提携発表。そして2014年6月1日にはエイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府/若林純社長)と経営統合することになった。

 

 これも同社の変化対応の一環と評価したい。イズミヤは、「良き実は良き木から成る。悪しき木は良き実を結ぶあたわず」として、創業当初から、丸紅(東京都/國分文也社長)など信頼できる大手との取引を重視してきた。

 今回、選んだ先は、阪急阪神東宝グループ。「なるほど」と頷いた。 

 

『チェーンストアエイジ』誌2014年2月15日号

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