天災は忘れた「今」にやってくる 再び
過日、あるコンサルタントの先生が「災害対策セミナー」を開いた。募集人員30人に対して出席者は約40人――。まずまずの盛況と言えるのだろうが、広い会場の半分ほどしか埋まっていない様子を見て、とても不安になった。
2011年3月11日から2年が経過して、被災地以外では、あの震災は“過去の悪夢”と化してしまっているようなところがある。日常生活を送っている中で、思い出すことはほとんどない。個人レベルではもちろんのこと。セミナーの受講者数を見ると、流通業界も同じなのではないかと思えてしまう。日々の競争や売上に追われる中では、なかなか顧みるきっかけを持てず、結果として、「喉元すぎれば熱さを忘れる」ことになってしまっている。
しかし、4つの大陸・海洋プレートが交差する上に位置する日本国土は、いつ何時、大きな地震に見舞われても全くおかしくない。実際、数週間に数度の単位で関東圏は揺れている。しかも、流通業界は非常事態下でライフライン機能を果たさなければいけない。だからこそ、まさかの事態には常に備えたい。「天災は忘れた『今』にやってくる」の警戒心を持ち、非常事態が起こったらいかに対処するのかを、いつもチェックしておきたい。
『チェーンストアエイジ』誌2013年5月1日号
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