スポーツ選手出演の思惑
この年末年始には、TV番組を随分と観てしまった。
特に高い露出度で存在感を見せていたのは、ロンドン五輪のメダリストを始め、アマチュアスポーツ選手だ。慰労会の意味合いもあるのだろう。けれども、穿って勘繰るなら、2020年の夏季五輪の東京への招致活動の一環と見ることができた。
周知のように、現在、東京は、トルコのイスタンブールとスペインのマドリードの3都市間で2020年夏季五輪の開催地争いをしており、今年9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる第125次IOC(国際オリンピック委員会)総会で決定が下される。
この招致に当たっての日本のアキレス腱は、国民の支持率の低さにある。
年末までの調査では、マドリード80%(招致委員会2012年10月調査)、イスタンブール73%(IOC調査)に対して、東京は66%(東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会調査2012年11月調査)。東京が低空飛行を続けていた。
そんな事態の打開を図るために、国民栄誉賞を授与された吉田沙保里選手や2011FIFA女子ワールドカップ日本代表選手などを多数TV番組に出演させ、メディアに続々と登場させることで、国民支持率アップを狙ったように見えた。
そして、その効果はてきめんだったようで、最新2013年1月31日に発表された同上の調査結果は、支持率73%と7ポイントもアップするに至っている。
そういえば、同じような動きで目立っているのは、大相撲幕内力士たちのTV番組出演である。
八百長問題や弟子のかわいがり暴行死事件、外国人力士時代の全盛で、人気凋落になかなか歯止めがかからない大相撲の力士たちが、初場所を前後してTV番組を賑わせていた。
これまでの出演との大きな違いは、1曲歌うだけとか質問に1問1答するだけではなく、個人のキャラクターやパーソナリティを前面に押し出して、バラエティー番組の長時間収録も辞さない姿勢で臨んでいることだ。
その裏側には、人気回復に必死な日本相撲協会(東京都/北の湖敏満理事長)の姿が透けて見えてくる。
早速、その効果が表れたかどうかは知る由もないが、2013年初場所13日目の1月25日には、東京場所の平日に「満員御礼」の垂れ幕が下された。これは約3年ぶりのことなのだという。
2つのケースはあくまでも私の想像の域の話だ。
しかしながら、日々消化されていく、何気ないバラエティー番組でさえも、何かの利権や思惑が絡んでいるのかと考えてみると空恐ろしいと思う。
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