独占状態ほど危険なものはない
「最大の人材育成方法は競争にある」と力を込めるのはアイリスオーヤマ(宮城県)の大山健太郎社長だ。
「この分野のことは彼に聴け!」とばかりの社内に専門家をつくってしまうと、その社員は慢心する可能性がある。そこで、社内に彼、彼女のライバルを置き、絶えず競わせることで能力の底上げを図っていきたい、という考えだ。
この話を突き詰めて言うなら、個人でも、組織でも、独占状態ほど危険なものはないということになる。
流通業界においても、合従連衡が進み、寡占状態を経て、どんどん独占状態に向かいつつある。米国の流通業界を見れば、一目瞭然だ。
独占状態は、売り手市場。それゆえに、イノベーションは後回しにされがち。しかも、ライバルがいないとなれば、値入れも自由。放っておけば、物価高騰は免れない。
そして最後に害を被るのは消費者ということになる。
そうそう。独占状態と言えば、今回の総選挙における自由民主党と公明党の連合軍である。実に衆議院議員定数の3分の2以上に当たる325人の議員を抱える絶対安定多数。拮抗勢力がないこの状態は、独占状態と言って過言ではない。
そして最後に害を被るのは国民ということにならなければいいのだが…。
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