エコス・エコス会 賀詞交歓会開く
2012年1月6日。エコス(東京都/平邦雄社長)グループの賀詞交歓会が開かれた(@フォレスト・イン 昭和館〈東京都昭島市〉)。以下は、当日の平富郎社長挨拶(文責:千田直哉)。
3月11日に起こった東日本大震災は、流通業にも多くの影響を及ぼした。震災後は、とくに商品を確保することが難しかったが、ここにいる取引先(=エコス会)の皆様のご尽力により何とか乗り切ることができた。
震災を経て、流通業は国民にとって生命をつなぐ仕事である、と改めて認識することができた。心から御礼申し上げる。
さて、2011年は「うさぎ年」。年男だった私は、昨年、同じこの場で「良い年になるだろう」と予想した。しかし、予想は裏切られ、きつい1年になってしまった。
ところが、災いの中でも良いことはあるものだ。私は自分の言葉通り、良いことが2つあったと前向きにとらえている。
ひとつは、本部と店舗の従業員の距離がうんと縮まったことだ。双方が一体となって翌日には全店舗をオープンさせることができた。
良いと考えた点は、この非常時対策に私はまったく関与していなかったことだ。
実は、3月11日当日は、日本スーパーマーケット協会(東京都/川野幸夫会長)の常務会が帝国ホテル(東京都千代田区)であり、私は本部を留守にしていた。
震災発生が14時46分。ホテルを発ったのが15時30分。自宅に着いたのが22時。その間、私は蚊帳の外にあり、すべての対策を本部にいる幹部が決め、指示を出した。
いろいろな支障はあったものの翌日には全店舗が営業している。次の世代が確実に育っていると手前みそながら思う。
ふたつには、震災を目の当たりにした平邦雄社長が発奮。これを契機に持病が完治し、元気を取り戻したことだ。
クルマの運転や趣味の登山も再開している。
社長の元気は、企業の元気に直結すると思うので、今年のエコスはV字回復の予感がする。
ただ、2012年を展望すると、景気が良くなる気配は依然としてない。酷過ぎる政治家と役人が事態をさらに悪化させている。
しかしながら、景気は政治家や役人につくってもらうものではなく、個々の企業が奮闘努力し押し上げるものだと思う。
これからは“プロの目”を持つ人材を有する食品スーパー企業が伸びるだろう。“プロの目”とは、たとえば「みかん」の外観を見ただけで甘いか酸っぱいかが分かるような人間だ。
エコスグループは、そんなプロフェッショナルの集団を目指し、数字を上げ、日本の景気を上向かせることに貢献したい。
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