“一発屋”と総理大臣(後編)
(昨日の続きです)
「歌手1年、総理2年の使い捨て」と詠んだのは故竹下登元首相である。
昨日のブログでも書いたように確かに「歌手(芸人)1年」というのは当たっている。
では、「総理2年」というのはどうか?
史上最長2798日間(=約7年6カ月)の佐藤栄作首相以後を見て行くと、田中角栄首相(886日)、三木武夫首相(747日)、福田赳夫首相(714日)、大平正芳首相(554日)、鈴木善幸首相(864日)、中曽根康弘首相(1806日)、竹下登首相(576日)である。
中曽根首相が長かったが、慣らせば約2年という感じであることが分かるだろう。自由民主党総裁の任期が1期2~3年(1972年までは2年、1972年からは3年、1978年から2年、2002年から3年)だったというのもあるのだろう。
ところが平成に入ると、「総理2年」は一変する。
宇野宗佑首相(69日)、海部俊樹首相(818日)、宮沢喜一首相(644日)、細川護熙首相(263日)、羽田孜首相(64日)、村山富市首相(561日)、橋本龍太郎首相(932日)、小渕恵三首相(616日)、森喜朗首相(387日)、小泉純一郎首相(1980日)と徐々に短くなり、首相の威厳も薄れて行く。その中にあって小泉首相の長期政権は目を見張るべきものがある。
さて、直近の5人はどうか?
安倍晋三首相(366日)、福田康夫首相(365日)、麻生太郎首相(358日)、鳩山由紀夫首相(266日)、菅直人首相(171日:11月28日現在)。
あらあら、“一発屋”の歌手(芸人)並みだ。
しかも、いまや“一発屋”は、リベンジを果たし、円広志さんはタレントとしても『越冬つばめ』などの作曲家としても大活躍、アラジンの高原兄さんは『羞恥心』を作曲、猿岩石の有吉弘行さんは、ひな壇芸人を一歩飛び出し、「あだ名の命名」など新境地で花開いている。
また、タレントの島田紳助さんらは、一発屋芸人に光を当て、ダンディ坂野さん、小島よしおさん、波田陽区さんらを新ユニットでデビューさせ、再び復活の機会を与えるような動きを見せている。
つまり、いまや、「歌手(芸人)1年」という話は当てはまらなくなっている。タレントのDAIGOさんを孫に持つ竹下さんも、黄泉の世界で「総理1年、歌手数年の使い捨て」と詠み直さねばなるまい。
総理大臣経験者と政治家のみなさん、本当に情けなく、だらしないぞ!
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは