ファーストリテイリング2011年8月期決算実況中継(2) 成長エンジンは海外事業!

2011/10/14 05:39
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 (昨日の続きです)

 

 いま、ファーストリテイリングは、「UNIQLO INNOVATION PROJECT」を実行している。

 クリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和さん、デザイナーの滝沢直己さん、デザインスタイリストのニコラ・フォルミケッティさん、コピーライターの前田知巳さんと組み、画期的な機能性プラス普遍的なデザイン性、これからの服、進化した服をつくっているところだ。

 将来的には、ここでの商品がユニクロの大半を占めることになるはずだ。

 

 また、事業のグローバル化に合わせて、生産拠点の拡大を図り、2020年には年間50億点の生産体制を構築する。

 中国(上海、深?)以外の国であるバングラデッシュ(ダッカ)、ベトナム(ホーチミン)、インドネシア、カンボジア、それぞれに生産と管理機能を有する事務所を設置し、大規模生産拠点に育成していく。さらには、インドにおいて生産、販売をめざす。

 

 このような体制を整備することでユニクロ事業の成長の軸足は海外にシフトさせ、アジア市場での飛躍的な成長に乗り出したい。アジアで圧倒的なナンバーワンになることで世界のナンバーワンになる。

 2020年の目標は売上高5兆円、経常利益1兆円だ。

 2012年は売上高1兆円、2013年が1.3兆円、2015年に1.7兆円、2016年以降は年間5000億円の売上高を毎年積み上げたい。

 年間売上高20億円の店舗を毎年300店舗出店するイメージだ。

 

 2015年度には海外ユニクロ事業の売上高は国内ユニクロ事業を超える計画を組んでいる。

 グローバルで毎年200~300店舗を出店し、1500人のグローバル店長を育てていく。

 2011年8月期末の海外ユニクロ店舗数は181店舗に過ぎない。また2012年8月期の出店計画は107店舗だが、今後は毎年、中国100店舗、韓国50店舗、台湾30店舗、アセアン諸国100店舗、欧米20店舗の合計300店舗を継続的に出店したい。

 

 この実現に向けては、数字が示す通り、アジア市場が非常に重要である。

 そこでアジア諸国の主要都市にグローバル旗艦店を続々と出店する。手始めに2010年5月15日に上海に開業。2011年9月9日にはタイのバンコク、9月23日には台湾台北に進出した。大成功だったと満足している。

 さらに、11月11日には韓国ソウルに出店する。

 

 現在、中国からインドにかけてのエリアとは、世界最大の成長機会がある。

 だから、売上高目標は、中国・香港、台湾の「グレーターチャイナ」で1兆円、その他のアジアで1兆円に定めた。同時に売上高営業利益率15%以上の高収益を実現し、世界各地へ人材を供給する基地としても期待している。

 

 なかでも、アセアン・オセアニア事業は中国と同等の潜在性を持っていると考えている。

 10月12日に発表した通り、SM Retail社との合弁でファーストリテイリング フィリピン(仮称)を設立する。2012年の春夏にはフィリピンに1号店を出店したい。

 またシンガポールに地域本部を設置し、ベトナム、インドネシア、インド、オーストラリア、ニュージーランドへの進出も検討したい。

 

 今後、日本市場については再攻略していく。

 2012年春には、東京銀座に銀座グローバル旗艦店を出店する。ギンザコマツビルの地上1階から12階で売場面積は約1500坪というものだ。また同年秋には、東京新宿に新宿グローバル旗艦店を開業する計画だ。新宿三越アルコット内の地上1階から3階に1250坪規模の店舗になる。

 さらに、渋谷、原宿、上野、池袋などの主要ポイントにはグローバル旗艦店を続々と出店していき、全国の大都市に1000坪級の店舗を出していく。

 その数は、1000坪級の超大型店を100店舗、500坪級の大型店を200店舗、300坪級の標準店を500店舗、小型店舗、駅ナカ店が200店舗となる。

 同時にスクラップ&ビルドも推進。グローバルマーケティングと営業活動で日本における圧倒的ナンバーワンブランドにする。

 

 また、韓国事業については、最終的に2000億円規模のビジネスにしていく。

 

 米国事業では、ニューヨークに世界最大のショーケースを開業する。

 この10月14日(=今日)にNY5番街に1400坪のグローバル旗艦店、10月21日に最大の繁華街であるNY34丁目に1300坪の超大型店をオープンする。われわれの最新最大の店舗になる。

 これを契機に米国事業は本格拡大させる。ニューヨーク市内、郊外、ロザンゼルス、サンフランシスコ、シカゴなどの大都市への出店も計画している。

 

 ヨーロッパ事業は、フランス事業に赤字である英国とロシアの2事業を統合して、パリに地域本部を設置したい。 

 英国事業は、スクラップ&ビルドを実施して、ロンドン市内の大型店中心の事業に再構築する。9月13日にはロンドンオリンピックの開催地であるストラッドフォードに出店した。また10月13日にはリージェントストリート店を230坪から400坪に増床した。

 フランス事業は、パリで大型店開発を本格化し、ニューヨークと同じような状況にしたい。まずはショッピングセンター内にあるラ・デファンス店を60坪から480坪に増床して10月27日に開業する。

 

 グローバルブランド事業は、「セオリー」「コントワー・デ・コトニエ」「プリンセス タム・タム」というアフォーダブル・ラグジュアリー(手に届く贅沢品)をひとつの経営体制に統合し、各ブランドが、各地域で相乗効果を生み出し成長する体制をつくる。

 「セオリー」は売上高1000億円規模をめざし、ヨーロッパ・アジアに本格展開していく。

 「コントワー・デ・コトニエ」「プリンセス タム・タム」はフランスを中心にヨーロッパ全土で展開する事業基盤を構築したい。

 

 ジーユー事業は、2010年10月に大阪心斎橋、2011年4月に東京池袋東口に旗艦店を開業して新たな飛躍期を迎えている。2012年春には、現ユニクロ銀座店の場所にジーユー銀座旗艦店を出店し、ブランディングに努める。

 2012年8月期の売上目標は超低価格とファッション性の強化で500億円突破。TVCM効果で知名度は上がっている。年間50店舗の出店を目標に近い将来は海外進出にも乗り出していく。

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