アイリスオーヤマのラックジョバービジネス
アイリスオーヤマ(以下、アイリス:宮城県/大山健太郎社長)は、ラックジョバービジネスを本格的にスタートさせた。
第1号店は11月10日にリニューアルオープンしたマツモトキヨシ豊四季店(千葉県)。450坪の大型ドラッグストアの100坪をアイリスがラックジョバーとして担当する。
同店の契約内容はいまのところ不明だが、かつて、大山社長が話していたアイリス流ラックジョバービジネスとは以下のとおりである。
アイリスが初回に納入した商品代金の請求をしない形にして、POSレジを通過した商品について、月々の消化仕入れということで取引先に請求する。棚卸しは、四半期ごとに取引先とアイリスが一緒に行い、この時に不足している在庫分についても請求する。
在庫はアイリスが保有。取引先は、在庫リスク、資金繰りのリスクを取る必要がなくなり、貸借対照表(バランスシート)も好転することが見込まれる。なお、発注は取引先が行い、アイリスはそれを受けて納品。品出しも取引先サイドが行う。
そして、アイリスがラックジョバービジネスの対象に考えているのはドラッグストアだけではない。
10数年ほど前から、スーパーストア化を図り、規模の大きな店舗を出店してきた食品スーパーへの展開も視野に入っている。売場面積600坪の店舗であれば、400坪は黒字でも残りの200坪は赤字、非食品売場はまったくの赤字というような状況の企業が大半だからだ。
マツモトキヨシ豊四季店のラックジョバー売場は、好調に推移しているようで、売上は予想の70%増程度を計上している模様だ。
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