珍奇ではないものを掛け合わせることで付加価値を提供する

2010/04/07 00:00
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 あるホームセンターの経営者はファーストフード店にも積極的に足を運ぶ。最近のお気に入りはゼンショー(東京都/小川賢太郎社長)が展開する「すき家」の牛丼だ。2010年12月に牛丼並を280円に値下げして話題となり、業績も好調そのもの――。

 この経営者は、たかが牛丼一杯にも一家言を持ち、業績悪化が顕著になってきた吉野家ホールディングス(東京都/安部修仁社長)の原因を「単に牛丼の価格を下げなかっただけではなく、味そのものが落ちてきた」と分析している。4月13日までの1週間、「吉野家」も「すき家」「松屋」に追随する格好で牛丼並を270円に落としたが、果たして業績回復の起爆剤になったのか?

「『すき家』の牛丼には学ぶ点が多い」と言うのも同じ経営者。「『3種のチーズ牛丼』『高菜明太マヨ牛丼』『わさび山かけ牛丼』などの新メニューを提案しているが、これがまたおいしい。珍奇ではないものを掛け合わせることで付加価値を提供する姿勢には頭が下がる思いだ」とベタ褒め。好業績を堅持する企業トップの視点は、常人とはずいぶん異なるものだ。

 

『チェーンストアエイジ』誌 2010年4月15日号

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