キユーピーの展示会に行ってきました
7月26日、キユーピー(東京都)グループの取組を各事業の担当者が説明する第13回「キユーピーブランチ」が開かれた(@砂防会館 別館会議室)。以下では、三宅峰三郎社長のあいさつを紹介する。(談:文責・千田直哉)
2011年2月下旬に社長に就任した。その直後に東日本大震災が発生。一方、世界的には穀物とエネルギーが高騰しており、厳しい中での船出となった。
その中で次の3つの経営重点項目を掲げた。
①ブランドを大切にする
②社是社訓・経営理念の軸をぶらさない
③グループ経営を進化させる
そしてキユーピーを食の世界にはなくてはならない企業にして、着実な成長を図っていきたい。
キューピーグループは、「外食」「中食」「内食」という横軸、また「赤ちゃん」から「ご老人」までの縦軸をすべて網羅する形で事業展開している。これがキユーピーグループの最大のユニークさであり、強さであると自負している。
東日本大震災は、消費者の購買意識、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている。食品メーカーは、その変化を敏感にとらえつつ、復興、その先の発展を見据えた提案で食卓から日本を元気にしていく必要がある。
そのためのキーワードとしてキユーピーは、「時短」「涼(暖)」「活力」「絆」を掲げ、具体的なメニューとして提案している。
なかでも「調味料・加工食品事業」が力を入れているのが「WRAP STYLE」だ。「巻いて」「包んで」食べる。実に単純なことだがバリエーションは多彩なので、巻き方や具材の工夫と電子レンジを活用した節電レシピでさまざまなメニューを提案している。
もうひとつは、いま話題の「女子会」に注目した。前菜からデザートに至るまで、「食事を通じての女子力アップ」をテーマにココロもカラダもキレイになれるコースメニューを紹介している。「味が変わる鍋」の提案を見てほしい。
「タマゴ事業」は、日本で生産される250万t(年間)の約10%を取り扱っている。
商品化の切り口としては、タマゴの持つさまざまな機能性を活かすように努めている。
具体的には、強く混ぜると泡立つという「起泡力」を活かし、マカロンやエスプーマ(泡状)料理などに活用している。また、熱すると固まるという「熱凝固力」を利用してとろっとろの半熟冷凍オムレツなどの商品を開発した。さらに「乳化力」を活用し、乳酸発酵技術とタマゴを組み合わせることで開発した新素材の「ラクティーエッグ」も紹介している。
「健康機能事業」の「ヘルスケア」部門では、流動食、高齢者食、ベビー&卵殻Caを展示。9月には高齢者食の「やさしい献立」の値下げの案内をしている。また「ファインケミカル」部門では、ヒアルロン酸の「うるおい」について現状と今後の可能性について展示している。
「サラダ・惣菜事業」は、惣菜製品全般を取り扱うデリア食品(東京都/兵藤透社長)の取り組みを紹介する。現在、GMS(総合スーパー)や食品スーパーとの取引額が増えており、優良企業に育った。
もうひとつは、パッケージサラダを製造販売するサラダクラブ(東京都/宮崎徳美社長)だ。「安心」「便利」「彩り」「エコ」をテーマに急成長を遂げている。
中食におけるキユーピーグループの位置づけが理解できるはずだ。
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