日本VS韓国(2)
(昨日の続きです)
昨日は、韓国スポーツ界の隆盛について記したが、産業界でも同じようなことが起こっている。
60%の世界シェアを持つDRAM(半導体を使用した記憶素子)、同40%のプラズマテレビ、同30%の携帯電話、同10%の半導体、同35%の造船などの分野で日本を追い抜き、自動車、鉄鋼、化学などの分野でも確実に差を縮めつつある。
韓国の国内総生産(GDP)は、過去20年間で日本の約10%から約20%に成長。この間の一人当たり国民所得の格差は3.9倍が2.1倍に縮小した。
1997年の「IMF危機」の際には、デフォルト(債務不履行)寸前まで追い込まれた韓国経済だが現在は、再建を果たしている。
2003年からは、通商政策の柱にFTA(自由貿易協定)を据え、ASEAN(東南アジア諸国連合)、チリ、シンガポール、EFTA(欧州自由貿易連合)、インドと締結。2011年7月にはEU(欧州連合)ともFTAを発効する。輸出を成長エンジンとみなしているのだ。
韓国では、スポーツ界にも産業界にも、国家ぐるみのバックアップ体制がある。
それがこの進撃の源泉になっているという見方はその通りなのだろう。
ただ、それ以上に大きいのは韓国国民のハングリー精神、闘争心だと私は思う。
気持ちの部分で日本は、老若男女全ての層が韓国に負けてしまっているような気がする。
男子の徴兵制の影響があるのかもしれない。
日本への凄まじい敵対意識も理解できる。
だが、なぜ、韓国国民のハングリー精神や闘争心が強いのかは本当のところを言うなら、よく分からない。
一方、日本の場合は、「資源のない国なのだから、働かなければ食べていけない」と小学校の教科書で習ったにもかかわらず、「1億総中流」というような生活をしているうちに「格差社会」が訪れても、危機意識さえ持てないままだ。
ハングリー精神や闘争心からはもっとも遠いところにいるといっていいのではないか?
もう一度、韓国は日本の4割の人口しかいないという事実を受け止め、韓国に学ぶ必要がある。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは