勝負事は負けることが大事だ
勝負事は、勝つことが大事だ。
しかし、さらに大きな勝利を手にするためには、負けることも大事だと思う。
格闘家のヒクソン・グレイシーのように400戦400勝という無敵の強さを誇り、引退まで連戦連勝を続けることができるのであれば、何も問題ない。
だが、そのヒクソン・グレイシーにしても、13歳で大人と稽古をしていたときにタップ(=参った)してしまったことが「負けない自分」をつくる起点になっていることを『無敗の法則 ヒクソン・グレイシー』(ダイヤモンド社刊)の中で披露しているのだ。
日曜日にWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦でアントニオ・マルガリート(メキシコ)を破り、プロボクシングメジャー世界タイトル6階級制覇を達成したマニー・パッキャオ(フィリピン)にしてもプロ戦績は52勝3敗2分けとなんと3つも負けている。
また、日本女子が銅メダルを獲得したバレーボールにしても、1ポイントのやり取りまでもが勝負だとするならば、25-0でセットを取り続けることなんてどんな強豪チームでもできないはずだ。
まあ、それは極論としても、試合で勝ちを目指した者にとって、負けることは、どんな事情があれ、ショックだろう。とくに挫折知らずで、勝ち続けた者にとっては、そのショックはより甚大なはずだ。
そして、負けた時に、どう修正して、立て直すか、気持ちを切り替えるかは、常勝の価値観からは生まれてこない。勝ちから何かを学ぶことはめったにないからだ。
孔子が「後生畏るべし」と看破したように、人は必ず負ける。
世の中には、上には上がいるものだ。
そう考えると、今日の負けを素直に受け入れ、糧にしながら、反省・修正を繰り返すことがさらに大きな勝ちをつかむための突破口になるような気がする。
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