広島市の繁華街・八丁堀、昭和の雰囲気漂う精肉店直営の食堂で「寿き焼き」をいただく

2025/07/03 05:00
森本 守人 (サテライトスコープ代表)

地元住民が通う精肉店直営の食堂「肉のますゐ」

 次に向かったのは広島市の繁華街。百貨店があり多くの人で賑わう八丁堀交差点から数分の場所に、お目当ての「肉のますゐ」はある。精肉店直営の食堂で、肉料理が有名な店。入り口にこれから店に入ろうとする年配男性の姿を目にし、私も彼らに続いた。

広島の中心部、八丁堀エリアにある精肉店直営の食堂「肉のますゐ」へ
広島の中心部、八丁堀エリアにある精肉店直営の食堂「肉のますゐ」へ

 店内はほぼ満席に近かったが、運良くテーブル席に座ることができた。

 メニューを手に、何を食べるかを検討する。ひととおり見て、選んだのが「特ロース寿き焼き」(3200円:税込)、それに瓶ビールをつけた。

メニューを見て、「特ロース寿き焼き」(税込3200円)に決めた
メニューを見て、「特ロース寿き焼き」(3200円)に決めた

 料理が届くあいだ周囲を観察すると、多様なお客が来ている。印象としては地元の方が中心で、家族連れやスーツ姿の会社員の姿が目立った。やはり地元に愛されている店は間違いない。それと何より昭和感満点の雰囲気がよい。

 しばらくして女性従業員が持ってきてくれたのが、牛肉、青ネギ、糸こんにゃく(しらたき)、豆腐などが盛られた皿。見ただけでおいしそうだとわかる。

牛肉、青ネギ、糸こんにゃく(しらたき)、豆腐などが盛られた皿
牛肉、青ネギ、糸こんにゃく(しらたき)、豆腐などが盛られた皿

 従業員はすぐ店の奥に戻るのかと思っていたが、私の目の前ですき焼きを作り始めた。てっきり自分で調理するものと考えていたので意外だった。

従業員が調理してくれる
従業員が調理してくれる

 牛脂を鍋に押し付け、ぐるぐると円を描くようになじませ、具材を次々と入れていく。手際よく、流れるような動作に惚れ惚れしていたところ、間もなく完成。「火が通ったら食べてください」と言い残し、従業員はテーブルを後にした。

牛肉を溶き卵につけ食べる。最高だ
牛肉を溶き卵につけ食べる。最高だ

 割り箸を手に、最初は牛肉。溶き卵につけていただくとこれが最高。続いて、ネギ、豆腐、時々、ビールを飲む。箸は止まらず、どんどん食べ進める。〆にうどんを追加注文して、フィニッシュした。これはウマイ。ごちそうさまでした。

 放心状態となり、天井を仰いで目を閉じる。幸せな時間だった。再度、メニューを見ると、精肉店だけにステーキやタンシチュー、ホルモン焼きなどもあり、しかもどの料理もリーズナブルだ。「また来よう」と心に決め、店を出た次第である。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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