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大阪ミナミ、あの著名作家も愛した名店でいただく個性派カレー

2025/04/15 05:35
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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今回は、大阪で初めて洋食を出した店で食事をするお話だ。お目当てはカレー。かつて、あの作家もよく訪れ食べていたというエピソードが残っている。話には聞いていたが訪れるのは今回が初めて。さてどんな店、料理なのか。早速、行ってみる。

かつて、あの作家もよく訪れ食べていたというエピソードが残る名物のカレー
かつて、あの作家もよく訪れ食べていたというエピソードが残る名物のカレー

大阪初の西洋料理店

 ミナミは大阪府を代表する繁華街である。「かに道楽」「グリコ」の看板はじめ「大阪といえば」で連想される刺激的でユニークな風景があちこちで見られ、観光客にも人気が高い。同じ関西なのに、私が住む京都とはまったく違うことを興味深く感じる。 

 今回、向かうのはそのミナミの難波エリアにある「自由軒」というレストラン。創業は1910年(明治43年)で、公式Webサイトには「大阪初の西洋料理店としてオープン」と書かれている。どれほど古いのかを実感するため調べると、同年6月には東京の「有楽町」駅が開業している。やはりかなりの歴史だ。

 同店は作家の織田作之助が通った店としても知られている。周辺は当時から賑わっていたようで、織田の代表作「夫婦善哉」と同名のぜんざいを出す老舗の甘味処が、北へ150mほどの場所で今も営業を続けているのを知った。

 あれこれ調べていると俄然、行ってみたいという気持ちが強まってきた。そんな折、ちょうど大阪に行く用ができ、行ってみることにした。

有名店が並ぶ「難波センター街商店街」
有名店が並ぶ「難波センター街商店街」を歩く

 降り立ったのは大阪メトロ「なんば」駅。11番出入口からすぐ見える「難波センター街商店街」の入口から東に向け歩き始めた。大阪は「くいだおれ」の街と言われるだけあり、有名な飲食店が並んでいる。

 しばらくすると右手にお好み焼きの名店「ぼてじゅう」、少し進むと左手に「豚まん」で有名な「551蓬莱」が見えてきた。いずれも本店で、関西人ならいかにここが熱い商店街であるかがわかるはずだ。

行列ができていた「豚まん」で有名な「551蓬莱 本店」
「豚まん」で有名な「551蓬莱 本店」には行列ができていた

 そしていよいよ今回の目的地「自由軒 難波本店」の前に到着する。見上げると看板には店名とともに「名物カレー」の文字が添えられている。まさに織田作之助が愛したメニューこそカレーなのだ。

「自由軒 難波本店」。看板には「名物カレー」の文字がある
「自由軒 難波本店」の前に到着。看板には「名物カレー」の文字がある

 店の前には、各種料理の食品サンプルが並ぶやや古めかしいショーケース。また入口横には、自由軒の名物女将を模した等身大の看板が立っている。主張の強さに、いかにも大阪の店という感じがする。

店の外観。入口横には名物女将をもした等身大の看板が立っている
店の外観。入口横には名物女将をもした等身大の看板が立っている

 私は高まる心を抑え、伝統の暖簾をくぐった。

 

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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