海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第27回は、お金を使わずに店舗のイメージをどのように変えていったかが明らかになります。山田社長の英会話もどんどんサマになってきていますよ(これまでの全スキットはこちら)
今回のシーンと登場人物
ディスカウンターとの競合対策を学ぶため、やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、コーディネーターの大森剛と共に、ダンデライオン・マーケットを訪問。2人は、レイノルズ取締役と旗艦店のストーン店長の案内で店舗を視察し、ウォルマート対策について話を聞く。現在、店内プロジェクトチームが行ったイメージチェンジの話を聞いている。
登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長
難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し
今週の英会話
山田:How did you change the store’s image without spending a lot of money?(上級)
費用をあまりかけないで、どのように店舗のイメージを変えたのですか?
レイノルズ:We decided not to make any structural changes.(上級)
建築上の変更は行わないことに決めました。
ストーン:So, our project teams of each department in the store came up with brilliant ideas.
当店の部門ごとのプロジェクトチームがすばらしいアイデアを考え出して くれました。
山田:Such as?(中級)
たとえば?
ストーン:For example, our produce department team proposed to create atmosphere like a farmers’ market.
たとえば、青果部門チームは、ファーマーズ・マーケットのような雰囲気を つくることを提案しました。
レイノルズ:You saw the colorful canopies in the department. That’s an example of the devices they used to create atmosphere.
青果売場でカラフルなキャノピーを見かけたと思います。 あれはファーマーズ・マーケットのような雰囲気づくりの工夫の一例です。
山田:I see.
なるほど。
解説
改装の失敗の打開策の2つめ、売場のイメージチェンジの話を聞いています。部門ごとに結成されたプロジェクトチームが大活躍したようですね。さて、今回と次回、山田社長は動詞を使わないで質問をします。そこに注目してください。それを含めて、今回は3つのセンテンスをご紹介します。いずれもいったん覚えてしまえば、使い勝手のよいセンテンスです。
このセンテンスを覚えよう!
How did you change the store’s image without spending a lot of money? : 長いセンテンスですが、How did you ~? は何度か登場しているのですでにご存知ですね。ご紹介し たいのは without spending a lot of money の部分です。 without の後に動名詞(動詞+ing)を持ってきます。すると、「~す ることなく」という意味になります。たとえば、「朝食を食べずに仕事 に出かけた」は、I went to work without having breakfast. と なります。
We decided not to make any structural changes. : decide は「決心する」。たとえば、「会議に出席することを決めた」 は、I decided to attend the meeting. となります。しかし、われわ れは時として「~しないことを決める」こともあります。その場合に は、decided not to~ となります。「会議に出席しないことを決め た」は、I decided not to attend the meeting. です。not の位置 にご注意ください。
Such as? : such as は「たとえば」という意味です。f or example と意味は同じですが、使い方が少し異なります。for example は文頭にも文中にも来ますが、such as が文頭に来るこ とはありません。常に文中で使います。しかし、山田社長は言葉の冒 頭に such as を使っていますね。これは、その前に話すストーン店 長の「素晴らしいアイデアを考え出してくれた」に言葉を継いだので す。こうすることで、相手に事例の列挙を促すことができます。「事 例を挙げていただけますか?」と長い文章にするよりも簡単ですね。
KEYWORD 一般的な用語
come up with : 「提案する」「案を見出す」の慣用句。