イトーヨーカ堂
ヨークHD傘下で再出発
食品スーパー運営に集中
イトーヨーカ堂は首都圏を中心に岐阜・静岡・愛知・大阪・兵庫の各府県で92店舗を展開する(2025年2月末)。
同社は1920年に東京・浅草で創業した「羊華堂洋品店」が始まりだ。その後、戦後の北千住での再出発、58年にヨーカ堂設立。65年に社名を伊藤ヨーカ堂に改称、71年に社名をイトーヨーカ堂に改称した。2005年にセブン-イレブン・ジャパン、デニーズジャパンの共同株式移転でセブン&アイが設立された。
イトーヨーカ堂は25年2月、セブン&アイ・ホールディングスのコンビニエンスストア以外の非中核事業を集めたヨーク・ホールディングス(HD)の完全子会社になった。イトーヨーカ堂やヨークベニマルなど約30社が傘下に入るヨークHDは25年9月に米投資ファンドのベインキャピタルの子会社となった。
新たなスタートを切ったイトーヨーカ堂は、総合スーパー(GMS)の運営から食品スーパー(SM)主体の運営に転換する。イトーヨーカ堂は食品のほか日用品や生活雑貨などの部門のみを直接手がけ、テナント管理、衣料品などはグループ会社で商業施設の運営・管理を行うクリエイトリンクに移管する予定だ。
経営再建に取り組んできたイトーヨーカ堂は地方店舗を閉鎖し、首都圏に経営資源を集中させてきた。23年にはセブン&アイ傘下だった首都圏でSMを展開するヨークと合併し、本社機能や物流を統合した。
イトーヨーカ堂の25年2月期業績は営業収益8427億円(前期比3.4%増)、営業利益30億円(前期は12億円の損失)だった。収益性改善に向けた抜本的改革が進捗し、24年2月に稼働を開始したPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチンなどの戦略投資インフラを活用し、総菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げるなど商品の品質向上、品揃え強化、店舗の運営効率改善に取り組んできた。自営売場面積の縮小に伴い既存店売上は前年を下回ったが、店舗閉鎖などの抜本的改革による販管費の抑制により、営業黒字に転換した。












