アジェントリクス CEO ウェリントン・マシャド
2005年、WWREとGNXの合併で誕生したアジェントリクス ヨーロッパ流のPB開発をアジアへ!
──食品の安全・安心に対する消費者の目が厳しくなっています。ITを使ったサポートはありますか。
マシャド PLMは商品の開発期間を短縮し、業務効率を高めるだけではありません。食に関する法律や規制、アレルギーにも対応できる仕組みになっています。
ヨーロッパは食品の安全性や環境、社会的責任に関する法規制が非常に厳しいため、関係各社が共通のツールを使わないと商品開発が難しいという事情があります。
PLMは、「ステージ」と「ゲート」という2つの考え方に基づいて構成されています。商品開発の過程に「ゲート」を設けていて、それを超えることができなければ次の工程に進むことはできません。こうした仕組みで“ふるい”にかけています。この「ゲート」は、原材料だけでなく、登録されている中から取引先企業を選ぶ際に絞り込む役割も果たしています。
──商品開発もさることながら、つくった後のフォローも重要です。ここが日本の小売業の現在の弱点のように思います。
マシャド PBを開発して、売って、その後の動向はどうなのか? 商品開発はもちろん大事ですが、商品の改廃も重要なポイントです。漫然とつくり続けていたのでは、ロスを出すことになりかねません。PB先進国のヨーロッパでは、売れなければ即、廃番にします。“出口戦略”がしっかりしていますね。
在庫情報を小売業とサプライヤーが共有
──3つめの領域である「在庫最適化ソリューション(以下、SCS)」のメリットは何ですか?
マシャド SCSの目的は小売業と取引先が、一連の商品流通のプロセス──時間、品質、数量など──を共有することにあります。その際、商品の流通過程を5つの機能でサポートしています。
1つは「コラボレーティブ・インベントリー・マネジメント」、つまり取引先と協業するかたちで在庫管理するものです。2つめはCPFR(需要予測)、3つめはPOSデータ(販売実績)の共有。4つめはベンダー在庫に関する情報の共有。そして5つめは補充発注です。