ウォルマート、南アの大手小売業マスマートを完全子会社化へ
米ウォルマートは、株式の過半を保有する南アフリカの大手小売業マスマート(Massmart)の全株式を取得することを提案し、両社で合意した。マスマートの株主総会や独占禁止法当局の承認を得られれば、マスマートはウォルマートの完全子会社となる。
両社が8月29日に合意を発表した。ウォルマートは2010年、マスマートの株式の51%を取得、その後、保有比率を53%に引き上げた。残りの47%の株式について、1株当たり62ランド(約503円)で買い取ることを提案した。これは、8月28日の終値に53%のプレミアムを上乗せした価格で、買取総額は64億ランド(約520億円)となる。
マスマートはサブサハラ(サハラ砂漠以南)地域で、大型量販店「マクロ(makro)」や家電量販店「ゲーム(game)」、ホームセンター「ビルダーズ(builders)」、食品スーパー「ケンブリッジ・フード(Cambridge Food)」など400店舗超を展開している。
2021年12月期のマスマートの業績は、売上高が776億ランド(約6300億円)、営業損益が2億ランドの赤字(前期は9億ランドの黒字)だった。マスマートは、ヨハネスブルグ証券取引所に上場しているが、ウォルマートによる全株式の取得が完了した場合、上場廃止となる。