イオンが発表した2015年2月期連結業績では、主力のGMS(総合スーパー)事業が16億円の営業赤字(前期は350億円の黒字)だった。これが足を引っ張って、イオンの連結営業利益は前期比17.5%減の1413億円と3期連続の減益となった。
GMS事業は消費増税後の消費回復の遅れの影響などから既存店売上高が2.8%減と苦戦。円安進行による原材料費上昇などで直営の粗利益率は0.5ポイント悪化する一方、集客のための販促を積極化したことで既存店の販売管理費が0.7%増え、営業赤字に陥った。
SM(スーパーマーケット)・DS(ディスカウントストア)・小型店事業も営業利益は52.3%減の84億円と低迷した。
売上高に当たる営業収益はGMS事業が3兆3555億円(前期比9.9%増)、SM・DS・小型店事業が2兆1612億円(9.8%増)で、合わせるとイオンの連結営業収益7兆785億円(10.7%増)のほぼ8割を占めており、両事業の立て直しが大きな課題となっている。
このため、イオンでは投資計画を見直し、16年2月期と17年2月期の2ヵ年での設備投資額を合計1兆3000億円と従来計画から2000億円削減。国内ではGMS事業およびSM・DS事業での新店投資を38%減らす一方、活性化投資を20%増やし、既存店の収益力向上を図る。
16年2月期は小型店事業をSM・DS事業から切り離したり、ドラッグ・ファーマシー事業を追加したりと事業セグメントの組み替えを行うが、GMS事業は213億円の営業黒字化、SM・DS事業は141億円の営業利益を目指す。
イオンの連結ベースでの16年2月期の営業利益は、23.8%増の1750億円と4年ぶりの増益を見込む。