格付投資情報センター(R&I)は10月15日、イオンを含むグループ5社の発行体格付けの方向性を「安定的」から「ネガティブ」に変更した。
先ごろ発表した2015年2月期上期(14年3~8月)決算で、中核事業会社であるイオンリテールが営業赤字に陥るなど主力の総合スーパー(GMS)事業と食品スーパー(SM)事業が著しい不振に陥っていることが要因。業績不振の直接的原因は4月の消費増税への対応の遅れや天候不順にあるが、個人消費の変化や競合激化など「構造変化に対策が追いついておらず、競争力が低下している」と指摘している。
イオンは上期の大幅減益にも関わらず通期の連結業績予想を据え置いているが、家計の実質所得低下など外部環境は厳しく、15年1月に完全子会社化することを決めたダイエーの採算改善が遅れているなどの課題もあり、「短期間で(業績を)大きく回復させられるか予断を許さない」としている。
格付の方向性を見直したのは、イオンのほかイオンモール、イオンフィナンシャルサービス、イオンクレジットサービス、イオン銀行。ただ、ディベロッパー事業や総合金融事業を含めて複合的に稼ぐビジネスモデルの有効性は揺らいでいないとして、格付けは「シングルA」に据え置いた。