イオンは4月8日、2023年2月期の連結営業利益が2100億〜2200億円になる見通しだと発表した。前期実績を20.5〜26.2%上回り、コロナ前の水準にほぼ回復する。GMS(総合スーパー)事業、SM(食品スーパー)・DS(ディスカウントストア)事業など全セグメントで増益を見込む。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令がない前提で、売上高に当たる営業収益は9兆円を見込む。今期から「収益認識に関する会計基準」を適用するため、前期との単純比較はできない。当該基準を適用しなかった場合の営業収益予想は9兆2000億円で、前期比5.6%増となる。
純利益は約3.8〜4.6倍の250億〜300億円を見込んでおり、これもコロナ前の水準に戻りそうだ。投資額は4500億〜5000億円と、3525億円だった前期から引き上げる。前期はコロナ禍で投資を抑制していたが、23年度からサービス開始予定の英オカドとの提携による次世代型ネットスーパーやセルフレジ、SM事業の物流センターなど戦略分野に傾斜配分する。投資の内訳は、国内の店舗が40%、海外店舗が30%、デジタルと物流が30%を計画する。
同日発表した22年2月期の連結業績は、営業収益が1.3%増の8兆7159億円、営業利益が15.8%増の1743億円、純利益が65億円(前期は710億円の赤字)だった。
GMS事業は23億円の営業赤字で、前期に比べて赤字額は87億円減った。SM事業とDS事業の営業利益は、それぞれ26.7%減の305億円、38.6%減の27億円と減益だった。ドラッグストアのウエルシアホールディングスを中心とするヘルス&ウエルネス事業の営業利益は、419億円で0.9%の微増。クレジットカードなど総合金融事業とイオンモールを中心とするディベロッパー事業の営業利益は、それぞれ44.9%増の617億円、8.8%増の388億円と回復した。