東急が事業化、アパレルバイヤー向け卸売ECの未来像とは
4つの観点で韓国ブランドを選定
実証実験の第1弾として取り扱うのは、日本未公開を中心にした韓国の約30ブランド。2024年6月までを実証実験として成果を検証、ゆくゆくは取り扱いブランドのエリアを広げ、日本のバイヤーと海外ブランドの双方を支えるサービスに育てていくことを目指すという。荒川氏は取り扱うブランドについて「4つの観点から選定している」と話す。
「1つ目は本国での実績。すでに韓国である程度の知名度があり、百貨店への出店や路面店があるようなブランド。2つ目はストーリー。デザイナーに語れるポイントがある、サステナブルにこだわって開発されたなど、人や商品の物語性を重視する。3つ目は知る人ぞ知る。スタートアップのブランドを中心に集めているので、これからフォローが現れそうだとか、一部の人に知られ始めたとか。そして4つ目が、まだ日本で展開していない、ポテンシャルを秘めたブランドであること」(荒川氏)
ブランド出店に関してはソウルに本店を置く新世界百貨店が運営するオンラインB2Bファッションプラットフォーム Kfashion82と連携して行い、貿易輸出サポートに関しては韓国政府機関のKOTRA(大韓貿易投資振興公社)と連携し、韓国ブランドが安心して商品を出品できる体制を整えた。そして2023年末現在、31ブランド、およそ1000アイテムを「makepre」を通じて仕入れられるようになっている。
ターゲットは20代~30代。ブランドの上代価格は、アウターが1万~10万、ワンピースが1万~5万、カットソーが5,000円~3万、バッグは1万~5万、シューズ1万~3万と幅広い価格帯のものを取り扱っている。利用は会員制で、登録できるのは法人のみ。東急グループ以外にも門戸を開き、百貨店、セレクトショップなどに加えてEC事業者も、転売目的などではなく、きちんと事業を営んでいることが確認できれば、広く受け入れる方針だという。