ECに専属スタッフが“常駐”!アパレルのジュンがめざす、本当のOMOとは
自社開発にこだわらず最適なECプラットフォームを採用
新型コロナウイルス禍が本格化する以前から、「これからのアパレルの成長はECが中心になる」と観測していたジュングループ。2019年に佐々木進社長から「ECファースト」の意思表明があり、本格的に新たなOMOシステムの開発に着手した。
プロジェクトを主導した中嶋氏が機能として求めたのは、店舗とECで製品や在庫の情報をタイムリーに同期させること。その基幹システムとして、DtoCブランドに圧倒的な導入実績を持つECプラットフォーム「shopify Plus」(「shopify」の上位プラン)とPOSシステム「shopify POS」を採用した。「自社で一から開発しなくても、shopifyでは多くのソリューションが提供されている。その中から自社に合ったものは採り入れ、合わなければ外せばいい。スピード感を持ってECを成長させられると判断した」(中嶋氏)
店舗とECの在庫一元化に対しては、楽天が提供する「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」(RFOP)を採用。自社開発にこだわらず、求める機能に応じて最適な手段を組み合わせ、2年半をかけて店舗とECがシームレスにつながるOMOシステムを構築した。
この在庫一元化の実現によって生まれたのが、在庫の取り寄せサービス「ラクトリ」だ。オンラインショップで売り切れた商品も、チャットスタッフが全国の店舗から在庫を探し、ECで決済後に配送してくれる。逆に、店舗に在庫がないときも、店舗のスタッフが倉庫の在庫を確認し、在庫があれば店舗で決済後に顧客に届けることが可能だ。今期中には倉庫在庫だけでなく他店舗の在庫も一元管理して、客に届ける仕組みが整う。店舗と倉庫の在庫がすべて共有されているので、店舗どうしで在庫を取り合う状況も起こらない。「全国の店舗や倉庫から、目の前のお客さまに最も早く届けられる在庫を選び、出荷すればいい。もちろん、売上は接客したスタッフに立つようになっている」(同)