ドイト

ホームセンター業界の嚆矢、今も残る店舗名

ドイト

ホームセンターの歴史を語る上で、欠かすことができない店舗。タクシー業を営む日之出自動車に勤務していた故斉藤幸吉氏が新規ビジネスを見つけるために、アメリカの流通視察ツアーに参加。そこでホームセンター業態に出合い、日本で展開を始めた。1972年、埼玉県与野市で「ドイト与野店」を開業したのが、日本のホームセンター1号店と言われている。

ドイトの名前の由来は「Do It Yourself」の「Do It」から。DIYの文化を持ち込んだのも、ドイトが最初である。しかし欧米のDIYは、自分で家を大規模修繕(リフォーム)することを意味していたが、日本では工務店や職人が幅広く存在し、DIYは「趣味の日曜大工」と位置づけられた。

当初は、日本のHC業界を牽引していたドイトだったが、90年代後半に入ると平成不況が長引いたことや競合店との競争の影響などで収益低下が続いた。2007年、ディスカウントストア大手のドン・キホーテ(現・PPIH)の子会社となり、閉店対象外となった郊外店舗のほとんどがドン・キホーテへ業態転換した。小売店を運営する企業としてのドイトはこの時点で清算されている。

20年2月、PPIHはドイトのホームセンター・リフォーム部門をコーナン商事へ譲渡。現在ドイトの名前を冠した店舗は「コーナンドイト東久留米店」「同朝霞店」「同戸田店」「同後楽園店」「同西新井店」「同与野店」「同東向島店」「同南砂店」「同東大宮店」「同ラパークいわき店」の10店舗となっている。

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