「お金に色がついている」
メルカリのグループ会社、メルペイで執行役員を務める山本マーク氏は、自社モバイル決済サービス「merpay」を独特の表現で紹介する。
ダウンロード数7500万、アクティブユーザー数1075万人を誇るフリマアプリ「mercari」。年間流通総額は4000億円に上り、日本最大級のCtoCプラットフォームに成長している。そんなメルカリが目下力を注いでいるのがmerpayだ。年度内のサービス開始に向け、準備を進めている段階だが、異色のプラットフォーマーの参入とあってメディアの注目度は高い。
同サービスがローンチすれば、mercari上でモノを売って得たお金を実店舗の決済で利用できるようになる。この「mercariで売って得たお金」という点にmerpayの独自性と強さがある、と山本氏は話す。
「たとえば、職場から支払われる給料の1万円と、自分のベビーカーを売って得た1万円とでは、同じお金であっても使われ方は違う。お金に“色”がついており、意味がある」(山本氏)。既存のモバイル決済サービスのように、クレジットカードや銀行口座から残高チャージするタイプのモバイル決済とは異なる利用がされることが期待できるというのである。
大混戦の決済市場に後発のmerpayは切り込んでいけるか。類似サービスが乱立するなかでは、導入側である加盟店にどのような価値を提示できるかが普及のカギとなるのは間違いない。(小野)