「万引き犯ではなく、顧客として残ってもらえる」
アメリカのスタートアップ企業、スタンダード・コグニション（Standard Cognition）東京オフィス代表に就任した西山陽平さんにお会いする機会があった。
同社はAI（人工知能）と画像認識技術を活用した無人レジシステムを開発する企業。先日、日用品卸大手のPALTACと提携し、今後、日本国内の小売店舗での導入拡大を図る計画だ。
システムの概要は下記サイト内の動画がわかりやすいので、見ていただきたい。
https://www.standardcognition.com/
ちなみに、売場面積190㎡の小型店であれば、20～30台程度の画像認識用のカメラを導入することでレジの無人化を図れるという。
さて、西山さんのお話を伺うなかでとくに興味深かったのは、画像認識技術をセキュリティの面でも活用できるという点だ。
たとえば利用客が商品を手に取ったにもかかわらず、レジではなく出口の方向に進もうとすると、「イレギュラーな動き」として認識し従業員に通知する。そこで「レジはこちらですよ」「なにかお探しですか」などと声掛けすれば、万引きを水際で防ぐことができる。店外に出てから万引きの現行犯として捕らえるのではなく、万引きをしようとしている“かもしれない”段階で声を掛けてしまえば、「万引き犯ではなく顧客として残ってもらえる」（西山さん）というわけだ。
技術の発展により、万引きそのものがなくなる社会がすぐそこまで来ているのかも知れない。（y）