朝ごはん市場考
「平成24年の国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、「朝食の欠食率」は男性12.8%、女性9.0%であり、前年との比較では男女ともに減少している。男女ともに欠食のピークを迎えるのは、20代であり、男性29.5%、女性22.1%となっている。欠食とは、①食事をしない、②錠剤・栄養ドリンクのみ摂取、③菓子、果物、乳製品、嗜好飲料のみ摂取の合計。逆に言えば、国民のほぼ9割が朝食をしっかり食べている事実に驚かされる。
「馬を水飲み場に連れていくことはできるが水を飲ませることはできない」の諺にある通り、自分の意志で朝食を食べない人たちの口を無理矢理こじ開け、消費してもらうことは至難の業だろう。ことに朝食に限って言えば、「ノンカスタマーのカスタマー化」専心は得策とは言えない。流通業としては、9割の人たちに焦点を当て、市場の深耕、創造を図りたい。
早朝7時30分オープンの某ホームセンターの資材館では、レジ横で菓子パンやコーヒーなどを品揃え、忙しいプロ業者の朝食需要を満たしている。このように朝食の品揃えや提案は、主要顧客ベースで考えたい。日本の食品小売業は、すべての世代や世帯に対しての品揃えに努めてきたきらいがあるけれども、朝食市場攻略を思案するに当たっては、「顧客は誰であるか?」を再度しっかり認識しておきたいし、その良い機会であるとも言える。
『チェーンストアエイジ』誌2014年12月1日号
なお、同号の第1特集は「朝食」市場にスポットを当てた「朝ごはんを奪【と】ろう!」です。ぜひ、ご一読ください。
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