季節に応じて変幻自在、利益もとれる青果売場の作り方

塩原淳男
構成:西岡 克(フリーランスライター)
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前回は食品スーパー(SM)の青果売場に期待される役割を解説。旬のおいしさを提案し、①季節感、②グレード感、③鮮度感、④安さ感を兼ね備えた売場をつくるべきだと提案した。今回は売場づくりについてさらに掘り下げてみよう。

柔軟に拡縮しやすい定番売場をつくる

 商品は「定番商品」と「非定番商品」に大別される。売れる売場にするためには、まず定番の売場をしっかりとつくることだ。

 青果売場は壁面のオープンケースと平場の平台で構成されている。この8割以上を定番商品が占めている。

 定番商品を鮮度良く、欠品がない状態に維持することが売上や利益を最大化する。

 定番商品は目的買いのお客さまが来店したときに、いつもそこにあることが重要だ。定番商品の欠品をなくすには、需要に応じて陳列数を変化させなければならない。

食品スーパー 青果売場 買い物 イメージ
商品は「定番商品」と「非定番商品」に大別される。売れる売場にするためには、まず定番の売場をしっかりとつくることだ(i-stock/Yagi-Studio)

 青果売場では季節に合わせて売場を柔軟に拡縮しなければならない。たとえば夏場はサラダ野菜と薬味野菜の需要が冬場の数倍になるので広げる。逆に葉物野菜は半分に縮小するといった具合だ。

 だから売場をしっかりと維持・管理することが重要になる。しかし店頭で棚割りを変えるには労力がかかる。

 店の担当者に負担をかけず、季節に合わせて売場を簡単に拡縮できるユニークな手法がある。

 オープンケース内では「サラダ野菜」「葉物野菜」「薬味野菜」「炒め物野菜」など用途別にカテゴリーを組み、それを「ある順番」に並べるのだ。この並べ方に秘密がある。

 たとえば薬味野菜の隣には葉物野菜や煮物系の野菜を配置する。夏になると葉物野菜や煮物系の野菜のカテゴリーは縮む。すると夏に必要な薬味野菜は自然に

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